平林町長は「碌山公園に芸術文化施設を作ると決まっていたわけではない。皆さんそう思っていたかもしれないが、候補地の一つだっただけの話なので、今日こうして説明することで充分」とおっしゃるのですが、次のような住民の声にはどう応えるつもりなのでしょう。
「用地を決めてから住民参加?なんでも住民参加ならやっても良いと思っているのでしょうか?それが必要なのかどうかの段階から住民に問わなければ住民参加の意味はない。」
「すごく単純に考えると、合併前に思いっきりお金使っちゃえ。どうせ合併すれば他の村や町の人たちでその借金分散できるし、土地は穂高のものになるから。という事でしょうか?」
本会議で私は、この議案について反対討論をしましたが、賛成討論は一つもありませんでした。議会では議案に対して反対討論があると、賛否が明確になるよう起立採決の方法が取られます。
結果は、私と吉田議員の2人だけが反対で起立せず、あとの15人は起立し賛成多数で可決となりました。6億円もの税金を投ずる碌山公園の整備事業にGOサインが出たことになりますが、皆さんはどう思われますか。
◆以下は、議案第92号土地の取得について、私の反対討論です。
1999年度から始まった第4次穂高町総合計画の前期基本計画において、先人の業績について調査・保存に努めるとともに、顕彰活動などの支援を強化することと格調高い郷土づくりを進めるため、芸術文化の拠点となる芸術文化ゾーン構想が位置づけられました。また、2000年3月には高橋節郎記念館の建設に併せ総合文化施設の建設を願う陳情が多くの町民の署名とともに町および議会に提出され、6月議会において採択がされ、現在の芸術文化施設整備の基本構想につながっています。
その経過の中で、立地条件として「既存施設や周辺の観光施設とのネットワークを考慮し町民や来訪者が利用しやすい場所を選定すること」や建設候補地としては、生涯学習の拠点施設として整備されている町民会館周辺を建設候補地とするということで、碌山公園と併せて整備する計画が有力視されてきました。
ところが、芸術文化施設整備検討委員会の答申により、この「芸術文化施設」を、旧ワシントングランドに建設するという案が急浮上しました。
そうなりますと「芸術文化施設」を建てなくてすむことになった碌山公園を、当初の計画ですすめ、用地も予定通り購入することは問題であり、簡単に賛成することはできません。百歩譲って、碌山公園の構想が明確で、「芸術文化施設」が無くなっても存在意義があるならば、公園として再検討するのもいいと思いますが、都市計画課は「それは用地を取得してから住民参加で決めていきます」という漠然とした考えです。そのような進め方は、今年完成した常念ふれあい公園で懲りています。
住民の多くは、碌山公園と併せて整備する計画を支持しているのであり、旧ワシントングランドに建設するとなれば、公園の用地取得のためだけに3億6000万円もの税金を使うことに理解は得られないと考えます。