その住基ネット稼動後の12月、長野県本人確認情報保護審議会が発足し、住基ネットの問題点や課題について議論されることになり今日に至っています。昨年5月には第1次報告、6月7月には県下各地での説明会、8月には住基ネットのセキュリティに関する公開討論会、その後には住基ネットに係る市町村ネットワークの脆弱性調査(侵入テスト)など、精力的な取り組みが伺えます。今日はやっと傍聴するチャンスを得て、長野県庁まで行ってきましたので、簡単ですが報告することにします。
まず今回の審議の印象としては、住基ネットの必要性、安全性、経済性(費用対効果)についての議論が主で、住民票コード番号(国民総背番号制に通ずる)によってもたらされる監視社会と国家的社会統制の強化といった問題への言及がなく、「そこを突いてもはじまらない。より現実的、実利的なところから攻めよう」という雰囲気が感じられました。ITなくして未来はない、住基ネットは便利になる、一人残らず数字で管理できるならその方が安全(治安が保てる)と、無邪気に思い込んでいる人々が圧倒的に多いのですから、仕方がないとも思いますが・・・ もう14回目の会議でもあり、過去にそういった議論があったかもしれませんので、調べてみようと思います。
審議事項は①より安全なネットワークの検討状況について ②公的個人認証サービスについて ③県の事務(旅券事務)における住基ネットの利用についての3項目。なかに非公開審議とする部分が2点あって、実際に傍聴できたのは10時から12時までの2時間でした。非公開審議は午後1時過ぎまで続いたようです。
①では、今年6月に策定された「長野県電子自治体セキュリティ指針」の評価として、県が「はい作りました。これでやりなさい。」ではなく、市町村や広域連合などの当事者と協力して作ったのはいいが、それを遍く自治体職員の意識向上につなげていく手立てについては不十分というものでした。ルールを作っただけではダメで、小さな村レベルでも確実に実行できるようにするための具体的な方策が必要ということ。
(紙面の都合により、続きは後ほど)