※写真は吹付け工事をしても程なく崩れてしまう法面(斜面)林道北沢線
◆以下は森林整備と林道改良の一貫性を求める請願に賛成の討論
これまで国や県、市町村が林道を開設すると、山や林業のための道ではなく、道のための道を造ってしまうことが多くありました。森林を将来的にどのように整備するか等のイメージを持たず、樹木や山肌を傷つけ、環境をこわしてしまうような道をたくさん作ってしまったのです。林道北沢線も工事が始まった30年前は、林業のためというよりは観光目的が見え隠れするもので、現場の山の状況に適合した、そして持続可能な林業経営を考えた本当の意味での林道作りに徹しきれず、ここまできてしまいました。その反省に立てば、林道作りや整備は大きな転換期を迎えていることに気づかなくてはなりません。
林業の機械化・大型化を進め生産性を向上させ、木材の搬出を効率化するために、林道は舗装しなければならないというのは、北沢線には実は当てはまりません。北沢線周辺の山林は傾斜がきつく、大型の機械を入れて作業するには無理があります。また、大型の機械を入れなければできないような作業もありませんし、実際に大型の林業機械は中信地域に数えるほどしかありません。現在必要なのは間伐であり、2トントラックとそれに載せられる機材で充分対応できます。わざわざ舗装しなくても、林道として安全性が確保できる最小限の維持管理で充分だと考えます。北沢線は国有林の中も通っていますが、そこは舗装されていません。それでも充分林道の役目をはたしています。