議会12月定例会・一般質問まとめ(その一)

町村合併に関する情報提供について町の答えは?

 穂高町議会12月定例会・一般質問の議事録ができ上がってきたので、私の一般質問への答弁とまとめを報告します。

 町長は「穂高町が自立する(=合併しない)場合の情報提供が少ないと指摘されれば、確かに自立の場合の情報も提供していますとは言えない」と答弁、自立に向けての情報提供が少ないことを認めました。しかし、今後、具体的にどのような情報を出すつもりか質したところ、「6月の合併懇談会で合併しない場合の財政シミュレーションを公表したが、国の三位一体の改革が固まらず、税源移譲や地方の意思で使える財源がはっきりしない中で予測したので、正確なものとなっていない。現在、平成16年度(2004年度)の予算編成を進めているが、町税の減少傾向や地方交付税の減少を見込みながら、具体的な内容が決まってくるので、広報等を通じて説明できると思う。合併しない場合の将来は、そこから(来年度予算から)類推して判断いただきたい」とのお答え。助役は「現段階で合併を考えない場合は、穂高町の第4次総合計画・基本計画に従って、今のサービスを提供していくのを基本として行政運営をしていく。あるだけの収入で、町民の要望に応えていくことになる」と補足説明。
 このやり取りの中で、町長は「今までどおりダラダラと行くにしても」という言い方をされたのですが、これはまた’揚足取り’と非難されそうですが、けっしてそんなことではなく、「これまでと同じにやっていくのでは」とか「今までと同じにのんべんだらりとやっていくのでは」など、同じような発言は他の場面でもたびたび聞いています。合併しないと’こうなる’=今までどおりダラダラと行くだけ、という消極的な発想で自立の道をあっさりと捨ててしまうのではなく、自立していくためには’こうする’という積極的な考え方はできないのでしょうか。「合併をテコに新しい町づくりを考える」という町長の説明は、「新しいことへの期待感」を強調するだけで説得力に欠けます。
 合併して目指そうとしている町づくりの構想は、穂高町のような3万人規模の町でこそ実現可能であり、やってみる価値があると私は思っています。財政面で厳しいといいますが、現状で厳しい5町村が一緒になっても厳しいことに変わりありません。合併することで期待できる行政の合理化は、机上の空論に陥りやすく、実際にどれだけ合理化できるのかは不透明です。町長は「将来にわたってただ一つ保証されているものが、合併特例法に基づく財源だ」ともおっしゃいましたが、50年前の昭和の大合併では、国は合併を推進しておきながら程なく特例法を改定し、優遇策は約束通りにはならなかった事実があります。とても’保証されている’と安心できるような状況ではないと思うのですが・・・
 合併するもしないも、どちらの方に住民が希望と決意をもってすすめるか、それを自分のこととして考えるには、合併の情報ばかりでなく自立のためには’こうする’という情報が是非とも必要です。どんなに良いことでも、それしか選べないときには、人は選び取ったという自覚は持てないものです。