「個人情報が漏れるのでは」という不安を抱えたまま住民基本台帳ネットワークの1次稼働が始まって、そろそろ1年が過ぎようとしています。
穂高町でも住民票コードの受取拒否をした人や、住民票コードの記載を認めた穂高町の処分取り消しを求めて行政不服審査請求をしている人など、少なからずあります。自治体においても個人情報保護法案の準備が間に合わなかったり、システム構築への費用負担が大きい、住民のメリットが少ない、従来の方式と並行し事務が煩雑化するなどの理由から、住基ネット不参加や稼働延期の動きがありました。
そんな中、防衛庁の情報公開請求者のリスト問題、四日市職員の個人情報ののぞき見事件、福島県岩代町の個人情報全てを収めたバックアップ用のデータが盗まれるなどショッキングな事件が相次ぎ、市民に一層の不安と不信感を与えました。
住基ネットは「緊急時の対応」や「セキュリティーに関する内規」等を設けて、一応の対策は講じていますが、十分でない部分も多く、特に一度漏れた情報に対しては打つ手がありません。
基本的人権であるプライバシーの権利とは、自分の個人情報が何の目的で収集され、どのように利用されるのか予測し対応できることです。私はIT化を拒むものではありませんが、その権利が脅かされる危険性が非常に高いと言わざるを得ないことを指摘しておきます。
県では、私たちのこのような不安を解消し個人情報保護に適切な対策を立てるため、本人確認情報保護審議会を立ち上げました。この5月28日に中間まとめである第1次報告がなされましたので、関連して次の3点について伺います。
(1) 長野県本人確認情報保護審議会の「県民の個人情報保護の観点から、当面、住基ネットから離脱すべきである。」とする中間まとめについて、町はどのように評価しているか。
(2) 住基ネットに対する不安として「個人情報が漏れること」「自治体職員ら内部からの漏洩」「コンピュータの誤作動による流出」等が出ていますが、町として、情報データの管理、職員教育、漏洩防止対策はどうなっているか伺います。
(3) 住基カード交付などの二次稼働に向けた準備はどのように進められているか伺います。