次に小中学校へのカラマツ材学習机の導入について伺います。
1年ちょっと前になりますが、穂高町の小中学校でも県産材カラマツの机を使ってもらえないかと、地元ボランティアグループが教育委員会にサンプルの机を持ち込み、導入の要請をした経緯があります。当時の学校教育課長は、かなり前向きな対応でしたが「財政難の折、新規事業の立ち上げは困難」との財政当局の考えで、残念ながらいまだ実現には至っておりません。
カラマツ材学習机の導入には、確かにお金がかかります。スチール製に比べ、値段は3倍もします。しかし、木目が美しい。手触りが暖かい。丈夫で長持ち。思い出してみてください。昔、子どもたちの学び舎はどこも木造でした。傷だらけの椅子があり、机がありました。自然から届けられた本物の木の椅子と机でした。ぬくもりのある教室、学校ではなかったでしょうか。
今、カラマツ材学習机を導入する意義は、単に学校備品としての机を入れ替えるということではなく、子どもたちの心を育てるまたとない教材として机を捕らえなおすところにあります。このカラマツ材学習机は、間伐が遅れ、暗く荒れている人工林に危機感を抱いたボランティアたちと、それに呼応した造り手が、地元の木を使い、森を守る運動の象徴として、こつこつ普及させてきたものです。
松本市は平成8年度から小学校で導入を始め、成果を上げています。三郷村でも昨年度から導入を始めました。ここで私が参考にしたいと考えているのは上田市の取り組みです。上田市は「次代を担う子どもたちが自然との共生や森林の大切さを学び、森林の恵みをカラマツ材学習机を通して肌で感じられるように」また「自分の手で机を組み立てることで、物を大切にする心が育つように」と事業目的をはっきり位置付け「木製机いす導入検討委員会」を立ち上げ、学校職員、保護者代表、ボランティア団体、行政など連携してカラマツ材学習机の導入を進めていきました。
先にも述べたように、カラマツ材学習机導入の意義は、子どもたちの心を育てる教材として机を捕らえなおすところにありますが、穂高町ではカラマツ材学習机導入・普及についてについてどのようにお考えか伺います。また、上田市の取組みのような木製机いす導入検討委員会を立ち上げることや、県の「木の香る学校推進事業」の一環である県産材カラマツの学習机に対する補助金の活用についても、いかがお考えか伺います。