安曇野市議会9月定例会・小林じゅん子の一般質問(1)

M産業に関する情報公開資料の数々

~増田建設産業の防音壁の危険性と
   一般廃棄物処理業の許可更新について~

 
 北小倉の廃棄物処理施設(増田建設産業)の防音壁の危険性について、市は県に対し許認可権者として適正な処置を求める要請書を提出したが、1年が経過するも未だ検討中で結論が出ていない。市としては、処分業(ソフトの部分)と、施設(ハードの部分)とは明確に切り分けて判断しており、市の許認可権は処分業・ソフトの部分にあたるので、防音壁=施設(ハードの部分)については県の判断を待つしかないとの見解である。

 増田建設産業の一般廃棄物処理業の許可については、この9月30日に2年ごとの更新の時期を迎える。前回平成24年9月28日付の許可更新では、騒音防止策として平成23年6月頃までに設置された囲いについて、市では安全性等の審査ができないため、長野県に対して安全性についての審査を依頼していた。平成24年9月に県から「廃棄物処理法の保管基準上問題ない」との審査結果を受け、これを根拠に許可更新の判断をした経過がある。そこで以下に質問する。

1、平成26年6月4日付で県から事業者に対して、産業廃棄物処理業変更届け出書等について不明事項があったため、平成26年7月31日までに書面をもって報告する旨を通知したとのことであるが、その後の最終的な県の見解と市の対応について。

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【質問】 増田建設産業(以下M産業)に対し、防音壁に係る変更届等に不明な点があったため、県は業者に報告を求めているが、その後の県の対応と市の一般廃棄物処理業許可更新への影響は。

【市民生活部長】 市の照会に対して県は「本年7月31日付でM産業から回答があったが、いまだ明確でないこと及びM産業から報告書の一部について、後日報告する旨の申し出があったので、追加報告を待っている。今後、仮に(防音)壁の強度不足が判明した場合には、M産業に対して改善など必要な措置を講ずるよう指導する」とのこと。

【質問】 県は建築基準法が適用される南側の防音壁(擁壁)については評価・検証できるとしながらも、その南側の壁について建築確認の完了検査を受けたかどうか不明、完了検査に必要な書類も写真もないと言っている。これは建築基準法違反ではないのか。

【市民生活部長】 建築確認の許可権者は県であるから、「もともと建築基準法違反ではなかったか」については、再度県に確認して対応する。M産業については二つの裁判が係争中でもあり、許可更新に当たっては、慎重の上に慎重を期したい。

2、市の一般廃棄物処理基本計画と増田建設産業の一般廃棄物処理業許可の整合性から、また廃棄物処理法の規定から見て、許可更新することの妥当性について。

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【質問】 M産業は産業廃棄物処理のみ許可されていた時期に、一般廃棄物である木製パレットやトマトの蔓の違法処理をしたり、マニフェスト虚偽記載など、たびたび違反行為や不法行為を繰り返していた。これは廃棄物処理法の欠格条項、廃棄物処理法第7条第5項第4号トに規定される、「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足る相当の理由がある者」というのに当たるので、一般廃棄物処理業の許可をすべきではなかったのではないか。

【市民生活部長】 許可に当たっては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律と施行令、規則、また市の廃棄物処理及び清掃に関する条例及び規則等の関係条例に照らすとともに、処理能力等を審査した結果である。

【質問】 審査した結果には違いないが、どういう観点で審査をしたのか。欠格条項に当たるような行為が再三あった業者に、なぜ許可がおりたのかを聞いている。

【市民生活部長】 この基準については、施設に関する基準というものもあり、申請書や添付書類の審査については、関係法令に基づく手続が必要とされる場合は、きちんとした手続がされているか等について審査している。

【まとめ】 質問と答弁がかみ合わないので、この質問は終わりとする。
 M産業はトマトの蔓が産業廃棄物なのか一般廃棄物なのかも分からずに、処理をしてみたら自社施設ではとても処理できるものでないとわかった。そのため虚偽のマニフェストまで作って別の業者に再委託したという。こういう経過を見ると、M産業は廃棄物処理法の第7条第5項第3号「その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確にかつ継続して行うに足るもの」に違反しており、自分の会社で処理できるもの、できないもの、一廃と産廃の区別もできないような業者だということは明らか。今回の9月に迎える許可更新に当たって、建築基準法違反の問題も含めてしっかりと審査をすれば、不許可とするしかないはず。

※10月7日現在、まだ県からの通知もなく、M産業に対する一般廃棄物処理業の許可更新は行われていません。