議員定数を3減して22人とする条例改正案を可決
~定数減らして議員報酬を増やせば若い人が立候補しやすくなる?~
安曇野市議会12月定例会は19日が最終日。議員定数を3減して22人とする、注目の条例改正案が議員提案され、審議されました。
採決の結果、賛成17、反対7(私を含む民心・無所属の会の4人と共産党市議団3人)で、定数22人の条例改正案が可決され、来年10月の選挙から適用されることになってしまいました。
議員定数は議会の課題であるだけでなく、市民と切り離しては考えられないことなのに、議員だけでサッサと決めようとしてきたここ数ヶ月は、私にとっては違和感の連続でした。
自らの定数の問題について議員提案するのですから、市民の評価も含めて充分に議論を重ね、合意形成に努め、できる限り全会一致で可決することを目指して進めていくものだと思います。
定数減に反対する議員が少なくとも7人いることがわかっていながら、議論を尽くすことをせず、見切り発車的に議員提案をぶつけてくるなんて、議会のやることでしょうか。まったく理解できません。しかし、定数減の議案は可決されてしまいました。以下、私の反対討論です。
◆議員提出第8号、安曇野市議会議員定数条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論いたします。提案内容は、議員定数を25人から22人へ3人減らすというものであり、とうてい認められません。
その理由として、22人に減らす理由が明確でないことです。
2013年の選挙で定数25人の市議会となってまだ3年しか経っていないという事では、3人減って議会運営はどうだったのか。市民にとっては3人減はどうだったのか。地域の議員がいなくなってしまったところはどうだったのか。減らしたことで市民の声が議会に届きにくくなるなど不都合はなかったか。もっと減らしても支障ないのか。等々、市民も交えての検討が必要だと思うのですが、まったく不十分なまま今日の提案に至っています。
「選挙により市民から負託を受けた議員が(よく分かっていない市民に代わって)決めればよい」という意見も多く、市民不在の定数削減の議論に疑問を感じます。
そんな経過の中でクローズアップされた理由が「議員報酬を増やせば若い人が立候補しやすくなる」というものですが、ちょっと考えればそんな問題ではないことはすぐ分かるはずです。こじつけでしかありません。
それに本当に若い人が立候補しやすくなることを考えるなら、改選時期まで1年を切ったこの時期での定数減は、やるべきではありません。
いったい、なにゆえこのように急いで定数を減らそうとするのでしょうか。
「働かない議員はいらない」という市民感情を知る議員としては、「定数減は評価されても、報酬アップは認めてもらえそうもない」ということで、定数減と報酬アップを関連させて論じ、議員報酬を上げるために定数削減を持ち出したのではないでしょうか。
この前の選挙で3減したばかりなのに、急いで減らさなければならない正当な理由が無いのです。定数削減して「議会自ら身を切る」と見せても、市民から見たら「議会の身勝手」な定数減としか写らないのではないでしょうか。
議員定数の削減は、議会に多様な市民の意見が反映されにくくなり、結果的に市政のチェック機能を弱めてしまうことになります。
また、定数を減らしても少数精鋭になるという保障はありません。むしろ、議員数を削減する事は、多様化した市民のニーズに応えられる人材や、組織の後ろ盾のない人材が立候補しにくくなり、地方自治にとって大きなマイナスです。
以上、議員定数を25人から22人へ3人減らす条例改正に反対の討論といたします。