8月25日からの2次稼動を前にして、田中知事は長野県の住基ネットに関する今後の方針を発表しました。数市町村を選定し、実際に侵入が可能かどうかを検証するための実験を行うこと、インターネットに接続している22自治体へ早急に分離の対策を求めること、同様の危険がある各都道府県へ、早急に分離がなされるよう依頼すること、地方自治情報センターへの委任事務を再検証する事などを挙げ、「このような無責任なシステムが構築された大きな理由は、住民自治を無視した国中心のシステム設計にある。」と批判しました。県本人確認情報保護審議会も、県独自の安全なシステムをつくる可能性を含めて検討する考えを示しています。
この発表に先立つ7月20日、堀金村で開かれた住基ネット離脱についての説明会で、審議会の不破会長は、県内22自治体で住基ネットとインターネットが物理的に接続していたとの審議会の調査結果から「現状では審議会として安全を保証できない」と経過を説明。桜井委員は「アンケートで担当職員の90%以上が負担の割にメリットが少ないと言っているシステムを、莫大な税金をかけてやる必要は無い」「システムの安全対策は常に更新していかなければならず、いくらコストをかけても万全の対策にはなりにくい」と強調しました。弁護士の清水委員は「情報流出が起こった場合、その自治体は被害者であるだけでなく加害者ともなる。自分のところは万全だと思っても、巨大なネットワークのどこかにほころびが無いとはいえない。それがコンピュータ・ネットワークでのトラブルの怖さ。自治体が損害賠償の請求をされたときの事まで考えているか」と指摘しました。
私はIT化の未来に希望を持つ者の一人ですが、住基ネットの現状は実に心もとないものであり、このまま見直しもせず進めていく事には反対です。したがって今回の長野県の方針は当然の判断と考えますが、町はどのように評価していますか。
また8月25日から2次稼動が始まりましたが、穂高町の稼動状況と住基カードの交付状況はどうでしょうか。住基カードの交付にあたって、窓口ではその利便性や安全性あるいは危険性について、どのように説明しているかについてもお答えください。
(次の報告へつづく)