コープながのくらしの助け合いの会学習交流会

地域で共に生きる〜松本大学の実践から〜中野学長の講演

 お年寄りや、体の不自由な方、産前産後の方など、日常の家事に困っている人が「こんな時、ほんの少しの手助けがあれば…」というようなとき、組合員どうしが家事援助活動を有償で行い、地域の福祉を向上させていこうというのが、コープながのくらしの助け合いの会。私は、現在「活動は無理だけれど趣旨に賛同できる人」といことで賛同会員になっています。今日は、そのくらしの助け合いの会県下11支部の学習交流会が、松本大学で開かれるというので参加。生協活動の会合に学校施設を開放する松本大学、「幸せの実感できる住みよい地域社会づくりに寄与できる”ひとづくり”」という建学の志が生かされています。
 午前中は、その松本大学学長の中野和朗さんの講演。「このグローバルな時代に何故”地域社会”か?→本来、私たちの生活領域と経済的社会活動の領域は狭い領域の中で一体化していました。これが近代化の進展に従って、次第に二つの領域の乖離の度が大きくなり、いまや資本収奪競争のグローバル化の段階に至って、極限状態になっています。その結果、さまざまな”阻害状況”が生まれ、これが昨今の憂うべき禍の元になっています。この状況を打開するためには、私たちの日常的な生活領域である地域に根ざした、地域コミュニティの再生が必要なのです。個々の地域が自立し、真に”活性化”することによって、その総体としての日本という”地球社会の一地域社会”も”活性化”するはず」「20世紀まで人類が営々として築き上げてきた自由市場経済システムが、いまや”完熟期”を迎えて、自助努力では解決不能な深刻な矛盾(システムの老化現象)を抱えて、その役割を果たし終えようとしている。”資本(あるいは物欲)”への隷属からの自己解放、”競争”原理から”共同・共生”の原理への転換、といった新しい価値体系に基づく新しい社会システム創出への努力が必要」以上はレジュメからの言葉でカタイですが、実際のお話は中野先生の経験談やら松本大学開学の経緯や教育成果を交えユーモアたっぷりで、あっという間の90分でした。
 従来の大学の多くは”ヘンサチ”を基準に評価されてきたが、松本大学はその発想にもはや与しない。「”幸せづくりのひと”づくり」に努めると言い切る中野学長のお話に、松本大学の卒業生をぜひ穂高町の職員に採用したいと思ったほどです。