穂高・豊科・明科町地域振興推進協議会の研修会で、山梨県の南アルプス市を訪問しました。3町の共通課題である町村合併について、先進事例の取り組み経過と合併後の実態等を調査し、今後の町村合併論議の参考にするのが目的。
南アルプス市は、住民発議で合併協議会が設置ができることを盛り込んだ合併特例法(1998年)によって、全国で初めて住民請求により法定合併協議会が設置され合併に至った事例。合併したのは八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の6町村で、面積は264k㎡、人口約7万人、甲府市のベッドタウン化で人口増加率が著しい地域。もともと生活圏も共通で広域行政も進んでいたので「いずれ合併するなら6町村で」というムードがあり、6町村平均41%もの住民署名が集まって合併協議会が設置されたという。行政主導ではないことや、3年の歳月をかけて準備し合併にこぎつけたことなどから、当然「合併してよかった」という話が聞けると思いきや・・・
議長の代理としてお話をしてくださった副議長さん、合併してよかったですか?の問いに躊躇無くズバリ「合併してよかったことは何も無い。合併後の住民の不満は大きい。すべてにわたって住民負担が増えてしまった。市政に馴染んで”あきらめ”の境地になるには10年はかかる」「合併を目指すなら、メリットだけ言ってはダメ。デメリットの方を充分に、しつこいくらいに説明してから決めないと後が大変だ」など本音の発言に、3町の議員の多くは?と一瞬たじろいだようでした。
この研修に先立つ18日、合併しないという結論を出した新潟県加茂市の小池市長さんの講演を聞きましたが、お二人のお話には共通点が多く「合併にはやっぱりこういう危険性があるのだ」と納得。小池市長は「700兆円の政府の財政赤字を何とかしたいがために、小泉首相が合併をあおっているだけで正当な根拠はない。合併して財政的に豊かになることはないのだから、合併特例法や合併優遇策に惑わされてはならない。本当に合併しなければならない時がきたらすればよい。合併はいつでもできる、あわてることはない」と。
*写真は堀金村での講演会で〜加茂市長