穂高町議会3月定例会・一般質問(その二)

林道北沢線の改修・舗装工事の見直しと森林整備について

 林道北沢線は、30余年の歳月と県・町あわせて約30億円もの巨費を投じて建設され、昨年12月に全区間が穂高町に移管されました。
 この林道は信濃坂から烏川に至る活断層沿いに開設されたため、地盤が深いところまで脆く常に崩壊の危険性を抱えており、工事も難航したのです。
 そんなわけで、開通してやれやれと思うまもなく、改修や舗装工事の計画案が出てきました。新年度予算には林道法面保護工事に1260万円、舗装工事に1300万円余が計上されています。ふるさと林道など国庫補助事業を利用するにしても、税金を使うことには違いありません。
 脆い地盤を人為的に切り取って作った道ですから、斜面は崩れるのが当たり前です。これまでに法面保護の工事をしたところを見ればこのことは明らかです。いくら改修・舗装工事をしても一時的なもので、完全に崩壊を食い止めることはできず、林道がある限り半永久的に補修費がかかることになります。国も地方自治体も、これ以上の借金を抱えることは不可能であり、穂高町が行う事業についても従来の慣行を捨てて、歳出の徹底的な見直しを行う必要があります。
 穂高町総合計画や町の今後3年間の事業計画によれば、北沢林道の安全な通行機能の確保を図るため、舗装及び法止め等の事業を進めますとありますが、これからの林道は樹木や山肌をできるだけ傷つけることがないよう、現場の山の状況・環境に適合した、そして持続可能な林業経営を考えた“道”にしていかなければなりません。
 これまで行ってきた法面吹き付け工事や舗装工事を見直し、森林整備のための林道として最小限の維持管理に切り替える時期が来ていると思いますが、町の見解をお聞かせください。