そして今日午後は、この任意合併協議会主催の「合併を考える講演会」。講師は関西学院大学大学院教授の小西砂千夫先生。演題は「市町村合併を決断するカギ」。小西先生のお話とは別に興味があったのは、任協会長でもある平林穂高町長のご挨拶。2月16日からこの方、ありとあらゆる場所と機会をとらえて「わかりやすい合併推進のお話」をしてこられた平林町長が、いったいどんな話をされるのか気になっていました。「過去からの分析を通して将来予測をするなかで合併を考えているが、間違いなくいいんだとは言えない。不確定要素がたくさんある。合併することにまったく不安がないかといえば・・・」など、これまでと違って非常に慎重なもの言いでした。また「合併については、住民の意識と行政側の進め方に”すれちがい”があった」と意味深長な言葉も。
この後の小西先生のお話は、この”すれちがい”の状況を解きほぐすことから始まりました。6日の任協事務局での話と通ずるのですが、「新市将来構想の素晴らしさを行政側が分かっていないから(私に言わせれば、任意合併協議会の委員や議員も)、ついつい合併がカネ=特例債や財政優遇の話になってしまう。しかし、特例債をあてにするなら、これまでの公共事業頼みの行政と何ら変わりないし、歳入が減るからこれまで通りの予算が組めない、だから合併なんて行政が言うべきことではない。にもかかわらず「わかりやすく」ということで財政の説明ばかりするから、住民から見ると「カネの話ばかりで胡散臭い」ということになり、いくら伝えようとしても”すれちがい”の構造ができてしまった。そこのところを反省し、お金のほかにも大事なことがある、つまり、新市将来構想(将来のまちづくりや地域の自治)、役所の強化(専門職の育成、職員の政策立案能力の向上)などについて、しっかりと説明し伝える努力をすることが必要と指摘されました。
小西先生のお話でのカギは「合併するということは論理の飛躍」という言葉。学者にとって「論理の飛躍」は有り得ないことですが、並の人間の集合である地域住民にとっては、この「論理の飛躍」を生むのは、合併に対する夢や希望、やる気や熱意が持てるかどうか、ということなのでしょう。これはそのまま、合併しない道を選ぶときにも通ずること。
※小西先生が穂高町の”すれちがい”の状況を伝える情報として、私のこの活動報告のページを挙げてくださった。拙い報告で自己満足の域を出ないながらも、なんとか書き続けてきてよかった。今後も、もっとましな情報になるよう頑張って書き続けます。