これで最後の安曇野地域任意合併協議会

7月下旬にも法廷合併協議会が設置される見通し

 穂高町の住民投票の結果待ちで休止状態だった合併協議が、3ヶ月ぶりに再開。といっても第16回目の今日は最後の会議となりそうなので、傍聴に出かけました。
 冒頭の挨拶で平林町長(協議会会長)は、住民投票の結果を報告し「4町村の皆さんに待っていただき、その上励ましご声援をたくさん頂いた。穂高町の多くの町民に勇気を与えていただき、連帯感、信頼感を深めることができ、厚く御礼申し上げる」「合併推進住民ネットの皆さんと一体となって、誠意と熱意をもってあたってきたことが、穂高町の住民に伝わった結果だと思う」など、かなり”我田引水”的な発言。挨拶も終わりの方で、やっと「合併にはまだまだ不安や疑問があり、反対の方々が穂高でも半数近くある。住民の理解が得られるよう進めていく」という言葉が出てきて、ほっとしました。
 会議では、まず任意合併協議会の2003年度決算について承認。歳入は48,298,712円で、これは各町村の負担金で賄われています。(穂高町は5町村の中では最高の13,197,000円を出しています。)歳出は41,869,743円。収支残高は6,428,969円で、本年度へ繰越となりました。5,000万円近いお金がすべて合併推進のために使われたことに、改めて疑問を感じました。任意合併協議会の目的は、合併する・しないに関わらず基本的な調査や研究をすることだったはずなのに、細かい事を言うようですが、歳出には「調査費」あるいは「研究費」という項目は無いのです。あるのは「推進費」という項目(広報誌、ホームページなど)で、こちらは1,000万円以上を支出しているのです。詳しい内容は近々任意合併協議会のホームページに公開されますので、皆さんもご覧になって考えてみてください。
 こう言うと「決算はもう済んでしまった事、それを今更ああだこうだ言ったって・・・」とあきらめ顔されてしまうのですが、”今更しかたない”とか”無駄なこと”では決してありません。過ぎてしまったことでも、その事実をきちんと知って理解し評価することで、将来に生かすことができからです。
 決算承認の次は、この任意合併協議会の解散について。事務局から法定協議会への移行の趣旨やスケジュールについて、また法定協議会の規約制定方針についても説明がありました。私は法定協議会の規約、特に協議会の委員の選任をどうするかという点に関心があり注目していました。今回提示された方針では、委員は、5町村の長、5町村の議会議長、5町村の議会が選出する議員それぞれ4名、5町村の長が協議して定めた学識経験者それぞれ5名となっていました。
 これまでの任意合併協議会では、住民代表の委員が出ているから住民の声も反映されたという事になっていますが、この住民代表の委員というのは穂高町では町長が選任しました。こういった方法では、どうしても行政寄りの人事になってしまいますから、法定協議会の委員選考に当たっては、一般住民に公募をするなどもっと広い範囲から人材を集める方法を考えてほしいのです。学識経験者も必要ですが、まずはこの合併の当事者である5町村の住民から委員を出すことを大前提にしてほしいのです。
 「合併するのは住民であるこの私たち。私たちのことは私たちで決めたい。それが住民自治の基本のはず・・・」そんなことを考えながら傍聴していましたが、今日の会議ではついに一つの質疑も意見もなく、事務局の提案通り議事が進行しすべて承認され終了となりました。
 なお、法定協議会設置議案を審議する臨時議会は、穂高町が7月2日、豊科町と三郷村が5日、堀金村と明科町が6日となっています。5町村の議決を受けて、7月下旬にも法定合併協議会が設置される見通しです。