経済建設常任委員会を傍聴

質疑の中身は反対意見なのに採決では賛成?

 議会では議案を審議し、議員一人ひとりが賛成・反対の意思表示をし、その結果、議会としての賛否が決定します。議案の全てを本会議で審議し決定するのが理想ですが、議案は数十件に及ぶこともあり、その全部を本会議で詳しく審議することは現実的には無理です。そこで総務、経済建設、文教社会の三つの常任委員会を置き、分担して議案を詳細に審議しているのです。
 私は文教社会常任委員会ですが、できるだけ他の常任委員会も傍聴するようにしています。6月議会で、経済建設常任委員会を傍聴したいと申し出て一悶着ありましたが、委員会条例にも傍聴できるとあり(委員会設置の趣旨からも当然)、その後は気持ちよく傍聴を続けています。

 さて、今日は経済建設常任委員会を傍聴しました。私が注目したのは台風23号の災害復旧と、碌山公園の用地取得について。
 災害復旧では、緊急を要することは町長専決で執行されましたが、その後の復旧費については補正予算案が提出されています。一般質問では災害対策や山麓地域の治山治水が取り上げられ、砂防堰堤(砂防ダム?)の建設を県に求めるという答弁もあったので、なにか話が出るかと思っていたのですが、砂防堰堤を作ることについては特に議論はありませんでした。「砂防堰堤は県が作るから心配ない」と考えているのでしょうか。(砂防堰堤の必要性については私も調査中です。詳しいことは後日報告)

 もう一つの用地取得の件ですが、碌山公園用地として碌山美術館と穂高東中の南に位置する土地3755坪を3億5693万円で購入する議案が出ています。これについては、さまざま意見が出ました。
 この土地は当初の計画では、穂高町の芸術・文化に関わる先人の顕彰・継承や、現在の貧弱な図書館を何とかしたいということで、それらの機能を一つにした「芸術文化施設」を碌山美術館の近くに建設し碌山公園として整備することになっていました。
 ところが、この「芸術文化施設」を、来年度購入予定(土地開発公社が取得済み)のワシントングランド(約3億円)に建設するという案が急浮上。(穂高町芸術文化施設整備検討委員会の答申による)となれば「芸術文化施設」が無くなった碌山公園を、当初の計画通りに用地取得するのは問題。私は反対です。
 それでも、碌山公園の構想が明確で、「芸術文化施設」が無くなっても公園としての存在意義があるならば、それもいいかと思うのですが、都市計画課は「どんな公園にするかは、用地を取得してから住民参加で考えていく」という漠然としたもの。公園用地なら国から3分の1の補助金が出るが、「芸術文化施設」だけ作るならその補助が無いとか、そんな事情もあって公園建設にこだわっているのかもしれません。いずれにしろ、そういうやり方は今年完成した常念ふれあい公園で懲りています。
 今日の経済建設委員会(稲田委員長と浅川、加藤、小林秀幸、藤原、山田の5議員)では、この議案について全員が私とほぼ同じような考えで質疑をし、意見を述べていました。ところが、いざ採決となったら全員賛成で可決してしまったのです。あれだけ問題点を指摘しておきながら・・・ 

 第4次穂高町総合計画には、芸術文化の拠点となる芸術文化ゾーン構想が位置づけられています。検討委員会がまとめた構想にも「既存施設や周辺の観光施設とのネットワークを考慮し町民や来訪者が利用しやすい場所を」とあります。ですから、どこに「芸術文化施設」を建てるのがよいのかも含めてこの土地の取得についても、もう一度検討しなおすべきだと考えます。
 委員会での議決は議会最終日の本会議で報告され、そこで質疑・討論が行われ議会の採決となります。