物は言いよう

議会や行政とFC(フェミコード)

 議員になってからというもの、必要に迫られて本をよく読むようになりました。こうして活動報告を書いていると、「読書好き、文学好き、だから書くのも好きなのね」と私のことを誤解する人も多いようですが、これはまったく違います。私が活動報告を書いているのは、書くのがスキとかキライとかではなく、それが議員の仕事の一つ、それもかなり重要な仕事だと考えているからです。
 これまでは、決まったことは知らされても、決定に至る経過やその間の議論などについて、住民が知るチャンスはあまりありませんでした。議員の活動も地域という支持母体の中で閉じている場合が多く、町全体を視野に入れた情報を提供してくれる議員はごくわずかでした。そこで、私は政策の一つに「活動の報告を、ホームページやニュース等で発信します」の項目を挙げたのです。やる、と宣言したからには情報発信していかなくては、発信するにはできるだけキチンとしたものを、それには本や資料も読まなくては・・・。けっして“趣味は読書”というタイプではないのです。

 読書の話をしようと書き始めたのに、ずいぶん脱線してしまいました。本日のタイトルの「物は言いよう」に戻しましょう。
 「物は言いよう」は、必要に迫られてではない久々の“読書”。「ナルホド、小林さんて物言いがキツイらしいからね・・・ 『物は言いよう』ってことを勉強したわけね」、ではありません。本の帯にはこうあります。〜FCとは何か?性や性別についての望ましくない言動を検討するための基準です。しかし、意識のありようまではとやかくいいません(心の中で「このブス」「このクソババア」と思うのはかまわない)。せめて、おおやけの場ではそれに相応しいマナーを身につけよう、との趣旨で考案されたました。本書を通じて、笑いながら、いやーなセクハラ、思わぬセクハラとは、もうさようならです。〜
 『物は言いよう』は、このFCに引っかかった発言を取り上げて、なぜダメなのかを徹底解説した面白くてタメになる本。「子どもを一人もつくらない女性が自由を謳歌して、楽しんで、年とって税金で面倒みなさいというのはおゥしい」という、忘れもしない、森喜朗元首相のとんでもない発言も、もちろん登場します。なにげない発言や、どこが差別なの?というような微妙な発言まで、実例がなんと60件。著者の斎藤美奈子さんは「実用書」だと言い切ってます。その通りすごく役に立ちました。

 議員になって議会や行政を内側から見たとき、何だかよくわからないけどおかしい、違和感がある、とにかく不愉快など、自分が感じていたことや心の中でもやもやしていたものが、この本のおかげでハッキリ、スッキリした気分です。