携帯電話の基地局アンテナが次々と

電磁波の健康への影響について学習会

 7月31日に携帯電話アンテナ塔の建設について、住民説明会がありました。建設場所(豊里地区、山麓線から西に入った別荘地の中)近くに住みながら、その前日まで説明会の情報が入らなかった人も少なくなかったそうです。きちんと住民に説明しようとする姿勢がない会社に、周辺住民は不安を感じ、実際に電磁波による健康被害はないのかといった心配もあり、町はどのように関与しているのか、という内容の相談もありました。

 31日の説明会では、電磁波の健康被害が心配という意見が出たため、会社としては「地域住民のなかに1人でも反対の意思表示をされる方があれば、計画は撤回し別の建設地をさがす」という方針ということで、この地での建設は白紙に戻ったということです。
 それは、それでよかったのですが、次は何処に計画してくるか?ということで問題がなくなったわけではありません。

 都市計画課で聞いたところ、町内の基地局アンテナは、既に建設されたもの、建設決定したもの、合わせて6箇所あり、計画中のものも3件あるとのこと。町づくり条例により、アンテナのような構造物にも高さ制限や景観への配慮など定めがあるので、都市計画課が区と協力して開発許可に関する事務を担当しています。
 今後ますます基地局アンテナの建設が増えそうですが、通信会社がそれぞれにアンテナを建てたら、いったい幾つ建つんだろう、そんなことも気になります。一つのアンテナを各社で共用できないのかと通信会社に聞いたら、それは難しいという答え。将来的には衛星を使うようになるから、地上に基地局アンテナを建てるのもそれまでという話も耳にします。

 そして最も気がかりなことは、電磁波の健康への影響です。高圧線の近くの方がよほど危ないとか、携帯電話を使うこと自体危ないんだからアンテナの心配をしても始まらないなど、断片的な情報は入ってくるのですが、本当のところはどうなのか。私自身の勉強不足を感じたので、13日に開かれた電磁波の学習会に参加しました。呼びかけは、今回の基地局アンテナの問題で当事者となった住民有志の方々。講師には、電気工学が専門のお二人が来てくださり、参加者は15人ほどで、アットホームな雰囲気の学習会でした。

 そもそも電磁波とは何か?から始まり、送電線や電化製品からは低周波、携帯電話や電子レンジからは高周波だとか、ケータイ電磁波の単位はSRAというなど、基礎的な話を聞きました。一番気になる健康への影響については、実際にあった健康被害の例も数多く示されました。
 通信会社や町の担当職員は「総務省が安全ですと言っています」と説明しますが、日本の電磁波(高周波)の基準は、国際的に見れば最低レベルのゆるい規制基準だということが分かり、こんな基準でどうして安全と断言できるのか、国の基準だからと鵜呑みにしている場合ではないと思いました。その昔、安全だと言われていたアスベストの健康被害は今深刻な問題になっていますが、それと同じことにならないか心配です。

 WHO(世界保健機構)は、危険をはらんでいると思われるものについては、その危険性を立証することに時間や手間をかけるより、予防対策をすることや使わないで済ます(排除する)方向を打ち出しています。
 携帯電話の基地局アンテナの電磁波は、30〜35ワット程度で弱いものだと言われますが、周辺住民は24時間、常に浴び続けることになります。電子レンジやテレビなど使い方によって電磁波を避けられるものとは違って、この「常に浴び続けること」の影響を真剣に考えなければいけないと思いました。