山麓地域にこの基地局アンテナの建設計画が相次いでおり、このままでは通信各社のアンテナが乱立するような状況が心配されます。
まちづくり条例により、アンテナのような建築物にも高さ制限や景観への配慮といった定めがあり、建設に際しては事前に地域住民に対する説明会も義務付けられています。しかし、面積的にはそれほど大きな開発行為でないことや、携帯電話がつながりやすくなるならいいじゃないかという考えの人も多く、わざわざ説明会にまで出て行く人は少ないというのが現状です。また町も通信会社も、関係住民に対して説明会があることを周知徹底しようとする姿勢に欠けているうえに、参加者が少なくても一応説明会は実施したということで済んでしまうのは問題です。こうした不十分な説明会でも、特に問題点や不安の声がない限り、建設にはゴーサインということになります。
そのような状況のなか、すでに町内にはいくつかの基地局アンテナが建設されていますが、ここでもう一つ忘れてはならないのが基地局アンテナから出る電磁波の安全性の問題です。通信会社や町の担当職員は「総務省が安全だと言っています」と説明するだけなので調べてみましたが、日本の電磁波の安全基準は、国際的に見れば最低レベルのゆるい基準で、こんな基準でどうして安全と断言できるのか、首を傾げてしまいました。国の基準だからと鵜呑みにしている場合ではないというのが私の実感です。その昔、安全だと言われていたアスベストの健康被害は今深刻な問題になっていますが、それと同じことにならないか心配です。
WHO(世界保健機構)は、危険をはらんでいると思われるものについては、その危険性を立証することに時間や手間をかけるより、予防対策をすることや、使わないで済ます(排除する)方向を打ち出しています。
携帯電話の基地局アンテナの電磁波は、30〜35ワット程度で弱いものだと言われますが、周辺住民は24時間、常に浴び続けることになります。電子レンジやテレビなど使い方によって電磁波を避けられるものとは違って、この「常に浴び続けること」の影響を真剣に考えなければなりません。
基地局アンテナの建設計画に際しては、電磁波が健康に及ぼす影響について、町としてもっと踏み込んだ対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。
※答弁を含めた報告は後日に。