2004年度穂高町一般会計歳入歳出決算の認定について

賛成討論の原稿(その二)

 林道北沢線については、これまで行ってきた補修や舗装工事の無駄を見直し、森林整備のための林道として最小限の維持管理に切り替えるよう、再三の指摘にもかかわらず、当初の計画通り進めているのは問題です。
 加えて、それら補修工事の入札にも疑問な点が見受けられます。過去5年間の落札率は95%から98%と高い水準で一定しており、必ずといっていいほど追加工事がなされ、追加工事の金額を加えると予定価格の105%になるといった工事ばかりです。これでは、談合疑惑がでるのも当然です。
 入札制度の見直しにより、落札率が70%台、80%台にさがったという例は全国に多くあります。林道整備に限らず、あらゆる公共事業について、穂高町でも入札制度の見直しを積極的に進めるべきだと考えます。

 台風被害の災害復旧については、土木や農林に亘って多くの工事がなされました。そのほとんどが迅速に対応され、住民生活への影響が最小限に食い止められたことは不幸中の幸いでした。
 しかし、天満沢川の頭首工復旧工事では先を急ぐあまり地域住民への説明がおろそかにされたり、災害復旧にしては過大な設計ではなかったかなど、課題が残されました。また、一ノ沢林道のユキトギ沢の橋については、台風直後の点検を怠って被害を見落とすというミスもあり、反省を促すものです。

 その他にも、旧ワシントングランドの土地取得にからんで、芸術文化施設や碌山公園建設の進め方の問題、Vif穂高や高橋節郎記念館の運営にもっと経営的視点が必要ではないかなど、課題を指摘しておきます。

 最後に評価すべき点も一つ挙げておきます。ファミリーサポート事業や立足マレットゴルフ場造成事業など、穂高町の「協働するまちづくり」に合致する事業が実現したことです。地域コミュニティを中心に生活上のさまざまな課題について、住民が主体的に取組み、地域づくりを行おうとする動きを、町が後押しする形で積極的に進め、いい形で実現できたことは特筆すべきです。

 間近に迫った安曇野市合併に向けて、このような住民と行政の協働といった「まちづくり」のあり方に始まって、税金の使い方、行政機能の見直しなど、なお一層の努力を求めながら、2004年度穂高町一般会計決算に対する賛成の討論といたします。