議会費のつかいみちは、議員の報酬や議会事務局職員の給与・手当、議事録作成、旅費、各種協議会などの分担金などですが、そのなかで少なからぬ金額を占めているのが議員共済負担金(議員18人分として年間616万5000円)です。
議員共済?負担金?それって何と思われるでしょうね。議員共済というのは、議員年金のことです。国会議員の議員年金については、その問題が表面化し一般市民からは「おいしい年金」と批判されるようになりましたが、地方議員にも国会議員とは別の制度ですが、やはり「おいしい」議員年金があります。
この制度の主な収入は議員が払う掛金ですが、もちろん掛金だけではまったく足りません。不足した財源は、自治体が個別に一般財源(穂高町の予算=税金)から負担しています。国会議員の年金と同じく、税金での負担率は高く、40数%となっています。
引退した議員の生活を、自治体の貴重なお金=税金で支えている実態が見えてきます。自治体がその財源で議員の年金の面倒までみなくてはならないのでしょうか。大いに疑問です。
私は、この議員年金制度を改革する、廃止する方向でいくべきと考えています。
しかし、地方議員の年金制度は、昭和37年に施行された地方公務員等共済組合法という法律に根拠があり、国の法律なので国会でしか改正ができないというところに、難しさがあります。私が議員になったとき、国民年金に加入しているから議員年金はいらないと言ったのですが、自治体が議員報酬から掛金を天引きしなければならないと法律で義務付けられているので、議員個人が加入を拒否することはできないということでした。
この地方公務員等共済組合法というのは国の法律なので、たとえ地方議員全員が議員年金の廃止を主張してもそれは不可能、つまり地方議員自らが改革できないシステムになっているのです。(仕事をしたくない議員にとっては、こんな有難い法律はないということになりますが・・・)
そうはいっても、議員年金の支給額など運用については、議員年金を管轄している地方議員共済会が決められることになっています。ですから、私は、議員年金廃止は難しくても、せめて年金支給額を減らすなど制度の運用を見直し、国の法律を変えるよう働きかける方向を強力に進めるべきだと考えています。
それには、私だけでなく「議員年金の見直し」を主張する議員がもっと出てきてほしいのです。安曇野市の議員選挙では、そんな観点からも候補者を見極めていただきたい。地方議員共済会で議員年金について話し合うメンバーは、地方議会の議長から選ばれた人たちだからです。彼らの大半は、自らの既得権である議員年金を減らそうなどとは考えていないでしょう。(だから今まで変わらなかったのです。)
議員年金を改革・廃止するには、私利私欲に走らず住民の側に立つ志の高い議員を選ぶことから始まるのです。