平林市長のあいさつには「自治能力の向上」ということばがありました。水谷議長の就任のあいさつには「民主的で透明度の高い議会に」、そして西沢副議長のあいさつには「議会の情報公開の重要性」が、それぞれ述べられていました。
正副議長が決まり、いよいよ議案審議。まっさきに議員提出議案1〜4号が一括提案されました。これらは会議規則や委員会条例、傍聴規則など、議会について規定するもので、安曇野市議会の運営の基本となるものです。
二日間の議員懇談会で、かなりつっこんだ議論があり、10月27日のこのページでも報告したように、前例・先例を踏襲するだけでなく、新しい安曇野市議会独自の内容になっていったのですが、それでもまだ私としては不満足な点が残されていました。このうえは、あえて本会議で反対討論をして問題点を指摘し、否訣の態度を取るしかないかと考えていましたが、幸いなことに提出された議案のなかに未修正の箇所が見つかり、再度全員協議会で検討することになったのです。
そこで私は、委員会条例の第19条「委員会は議員のほか、委員長の許可を得たものが傍聴することができる」を「原則公開とする」に改めるべきだと主張しました。冒頭にあげた市長、正副議長の言葉を引用し「自治能力の向上は、議員や職員だけの問題ではない。ここには市民の存在が欠かせない。議会の透明度を高くし、きちんと情報公開していくことなくして、市民が市政に参画することはできない。より実質的な審議をしている委員会を傍聴するのに、いちいち委員長の許可が必要ということであれば問題である。条例には原則公開と明記すべき」と強調しました。
・傍聴席が限られているから、傍聴者がたくさん来た場合は委員長が許可するようにしないと混乱するのではないか。
・議会はもともと公開が原則なんだから、委員会だって傍聴したいといって来た人に、許可しないなんてことはないのではないか。穂高では許可されない事例があったんですか?
・最近の世相から考えると、誰が入ってくるかも分からないようでは議員も傍聴者も不安。テロだってあるかもしれない。傍聴は許可制でしっかりチェックしてもらわないと心配だ。
といったような意見もありましたが、私だけでなく何人かの議員からも反論があり、また数名の議員からは「原則公開」に賛意を示す発言が続き、最終的には「委員会は原則公開とする」ということで承認されたのです。
これで、安曇野市議会の委員会の傍聴は、事前に委員長の許可を取る必要がなくなりました。本会議の傍聴と同じようにに、気軽に来ていただいてよいのです。委員会室が狭いので、10人20人と傍聴者が多かった場合は、委員長の判断で抽選なり先着順なりの方法は考慮することにはなると思いますが。
議案について実質的な審議をしている委員会の傍聴が、自由に出来るようになったことは、大変大きな収穫だと思います。市民に開かれた議会へ、安曇野市議会は大きく近づいたと言えるでしょう。