この合併前の建設委員会の報告書にオール電化の提案があり、その方向で設計費用が合併後の予算に計上されました。しかし、オール電化のメリットは理解できるものの、環境や安全性、建設コスト、維持費などの観点から、従来型との比較検討が充分なされての結果なのか疑問を感じたので、12月の議会・一般質問で取り上げたところです。
市の答弁は「指摘されたような懸念があるならば、今後の実施設計のなかで、さらに検討を重ねていきたい。」、「今までは3町村での検討や建設委員会の意見により進めてきたが、合併したこともありこれまで参加していなかった町村(地域)も加え、新たに検討会を1月初めには開催したい。」というものでした。
そこで、年明けを待ち1月半ばごろ教育次長に「検討会はどうなったか」と問い合わせたところ、意外な答えが返ってきたのです。オール電化の検討についてはほとんど触れず、米の炊飯は外部委託することになったというのです。委員の皆さんも承諾したと。
検討委員の皆さんが炊飯の外部委託に賛成したというなら、それも仕方ないかと思い、また給食センターの建設費や維持費の削減など財政的なことを優先すれば、外部委託は今後避けては通れないとも考えました。
しかし、その後この検討会に参加した方々から話を聞き、「仕方ない」ではすまされない大きな問題が浮かび上がってきました。まとめると次の4点になります。
1、どんな目的で検討会が開かれるのか説明がないまま招集された。
2、給食センター建設の検討に関わる経過を知る職員が一人も配置されておらず、合併前に出された答申の内容が理解されているか疑問。
3、炊飯の外部委託により、センターの建設費や維持費などコスト削減ができると言うだけで、データをきちんと示しての説明がなかった。
4、1回だけの検討会で「炊飯の外部委託」について合意済みとされてしまったこと。
市の財政の厳しさを最優先に考えれば、ご飯の味、安全性などに問題がないなら「炊飯の外部委託」も検討されて当然ですが、コストの比較データも示さず一方的に「炊飯の外部委託」がよいと説明されても、納得できるはずがありません。これまで2年間をかけて積み上げてきた住民参加の給食検討委員会の議論を、財政改革、合理化という視点からのみ論じて切り捨ててしまってよいものでしょうか。また、外部委託すればその分の費用は給食費に跳ね返ってきます。そういったことも含め、もっと慎重に検討していく必要があると思います。
地場産の米を使って、炊き立てご飯が食べられるように近くの給食センターで炊飯することは、ただそれだけのことではないのです。米を作る農家の顔が見えることにつながり、それは子どもたちに感謝の心を育て、学校給食が食農教育や環境教育、地域学習にまでつながっていくのです。これぞまさに「食育」ではないでしょうか。