指定管理者制度の条例などに兼業禁止規定を

三郷やすらぎ空間施設の指定管理者はこれでいいのか

 予算説明会2日目、今日も9時から始まり夕方まで。健康福祉部と産業観光部に関わる予算の説明がありました。続いて全員協議会が開かれ、3月議会に提案される議案について、主だったところの説明がありました。(安曇野市が発足したばかりで、決めておかなければならないことがたくさんあり、議案は100件あまりもあります)
 安曇野市議会政務調査費の交付に関する条例、安曇野市情報公開条例、安曇野市一般職の職員の給与に関する条例、安曇野市介護保険条例の一部を改正すること、公の施設の指定管理者の指定などについて詳しい説明がありました。

 おおむね納得できる内容と説明でしたが、ひとつだけ理解に苦しむ議案がありました。公の施設の指定管理者の指定に関するもので、三郷地域に作られた「三郷やすらぎ空間施設」の指定管理者に「株式会社ファインビュー室山(第三セクター)代表取締役・西山馥司」を指定するとあったからです。西山馥司氏は前三郷村長で安曇野市の助役というのはみなさんご存知の通り。

 指定管理者の指定について議決を行う議員や、提案する行政側の長などが、自ら指定管理者になるなど、自治法の兼業禁止規定と同じ解釈で許されるはずがないと思っていましたから、何かの間違いではないかと思ったくらい。
 すかさず「自治法の兼業禁止とは関係ないのか」という質問が出ましたが、産業観光部長は「違法ではない」と説明。なぜ違法ではないかというと、「指定管理者制度は民法上の契約ではなく、行政処分という措置により公の施設の管理運営を指定した業者に行わせることを可能にしたものであるため、地方自治法の契約に関する規定は適用されない。契約でも請負でもないのだから、自治法第92条の2、第142条にある議員や長の兼業禁止規定は適用されない。法律上は長や議員が関係する団体であっても指定管理者になることが可能である」ということだそうです。

 私は「違法でないといっても道義的に許されるでしょうか?安曇野市の助役が代表取締役を務める会社を、市が指定管理者に指定するというのでは、市民の目にどう映るでしょう。始まったばかりの指定管理者制度の信頼性を損なうことにならないでしょうか」と質問。ほかの議員からも「公募することは考えなかったのか」とか、「行政と指定管理者との馴れ合いを生むおそれがある」、「第三セクターということなら『ほりでーゆー』や『ビレッジ安曇野』も、助役が代表取締役や理事長になっている。そもそも助役がそのようなポストに就くことがよいのかも検討する必要がある」などの意見が続きました。

 確かに安曇野市の指定管理者の指定に関係する条例には、兼業禁止は規定されていないので、今ごろ気づいても遅いのですが、常識的に考えれば当然といえるようなことが通らないのはやはりおかしいと思います。
 そう思って指定管理者制度に関わる条例に兼業禁止規定があるところを探してみたら、「昨年11月1日現在で、指定管理者制度の条例などに、12都道県が兼業禁止を盛り込んでいる」(朝日新聞調べ)とありました。市町村ではどうなのだろうか。こうなれば、安曇野市でも条例に兼業禁止を規定する必要があるのではないでしょうか。

 以上、そんなこんなで家路に着いたのは夜の10時過ぎ、13時間ものあいだ堀金総合支所にいたことになります。いささか疲れました。