委員長報告に対して質疑

汚泥談合で告発された栗田工業が実験施設の工事

 補正予算の中に気になることがあって、市民・環境委員会の審議報告について質疑しようと考えていました。

 穂高広域施設組合(穂高クリーンセンター)が進める「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業」の関係です。この組合の議員として、この実験事業にはずっと反対してきましたが、いよいよ建設開始となりました。そして、この実験事業に必要なゴミの分別・収集などの業務を安曇野市が受託することになり、関係する補正予算が出てきました。質疑をすることで、実験事業の進め方には問題があるということを議事録に残したいと思ったのです。

 実験施設の建設工事を請け負う栗田工業が、し尿処理施設の談合がらみで告発され、指名停止の処分を受けたことに関して、組合事務局に問い合わせたところ「逮捕・告発される以前に請負契約をしているから法的に問題ない、このまま工事をしてもらう」というので、「それはないでしょう、関係市町村へ説明するぐらいの事は最低必要ではないか」と私。これが6月1日のこと、事務局長は「説明ですか、必要ですかねえ」といった消極的な返事でした。しかし、やはり説明は必要と思ったのか、6月8日付けで通知文書を出していました。

 文書は、首長あてではなく部課長宛で、最後のところには、「なお、組織市町村部長、課長におかれましては、各市町村議会において汚泥談合に絡む関連質問がございましたら、対応をお願い申し上げます。」とあります。
 「汚泥談合に絡む関連質問がございましたら、対応を」ということは、質問がなかった場合黙っていても良い、積極的に説明しなくて良い、ということになります。本気できちんと説明する気はない、といっているのと同じではないでしょうか。

 このような文書で市長として納得できるのか、一般質問の「生ゴミ処理やバイオマスエネルギー利用の今後について」に関連して、市長に質問したのですが「小林議員は施設組合の議員であるのに、実験事業への理解がなく反対している・・・」と話し始めたら止まらない。「市長!あと4分しか時間がありませんから、聞かれたことだけに答えてください」とストップをかけましたが、時間切れで言いたいことがいえないまま終わってしまいました。

 それで、環境経済委員会でも審議したはずだから、委員長報告に対して質疑しようと考えたわけです。22日午後1時から始まった本会議で、質問しました。組合から栗田工業の汚泥談合に関する文書が出ているが、委員会で説明や質疑はあったかと。
 環境経済委員長(浅川保門議員)は、「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業」の関係での説明や質疑はなかったと答弁。しかたなく、市長にこのような施設組合の対応を市長としてどう思うか、と質問しました。
 「委員長報告への質疑だ」「市長に聞いてもダメだ」「部長答えろ!」「議事進行!」など騒然とするなか、草深議員が「質疑はあった。談合がらみの会社は問題ではないかという意見もあった」と発言。
 そこで、議長が「質疑はなかった」と答弁した委員長に振ってくれればよかったのですが、私の頭の中でも「どういうこと?」と途惑っているまに、次の議題に移ってしまいました。

 それに、さらに「おかしいな」と思ったのは、12月議会では委員長報告への質疑でも、市長や部長が率先して答弁していたからです。「どうして今回はダメなのか。どういうルールになっているのか」と、議事の最後に議長に尋ねました。そしたら、あっさりと「12月議会でのあの議事進行は私(議長)のミスでした。お詫び申し上げます。あのようなことはできない事でした。委員長しか答弁できません」と言うではないか。
 また、浅川環境経済委員長からは、議会終了後に「説明や質疑はなかったと答弁したが、あれは予想外の質問だったので勘違いしてしまった。草深議員の言ったとおりであった」とお詫びがありましたが、私としては釈然としないものが残りました。

 委員長報告に対する質疑の取り扱いや、間違ってしまった答弁の訂正など、議会が閉会してしまったあとでは、どうにもならないというのだから。