8月の活動報告 〜その2〜

難しい問題や課題が次々と・・・

 8月の活動報告〜その1〜の続きを、まとめて報告します。

8月17日(木)市議会だよりの編集会議と反省会
 市議会だよりの編集会議。今回は第3号が刷り上ってきたので、それを見直しながら反省会。意見が出尽くしたところで、私から、「起立採決した案件については、誰が賛成して誰が反対したかを、議会だよりにも明記したらどうか」と提案したところ、「それはまずいよ。そこまではっきりさせると、差し障りがある」とか、「名前まで出さなくても、賛成○人、反対○人と数字を出せばいいのでは」といった消極的な意見が多くて、これは意外だった。採決は押しボタン併用で、賛否の結果が電光表示される議会もあるというのに・・・ 
 我孫子市では、市民からの要望が強かったので、議場に電光表示システムを付けることになったという話を、視察した議員から聞いたばかり。議員の誰が賛成して誰が反対したか、これは市民の関心事だと思いますし、議員もハッキリと態度表明すべきですから、安曇野市でも採決方法や表示の仕方など、検討が必要でしょう。

8月19日(土)「みどりネット信州」8月政策研究会
 今日は「みどりネット信州」8月政策研究会で長野市へ。長野市ってこんなに暑かったっけ?ここが〝さわやか信州’だとは思えない蒸し暑さに閉口。
 今回のテーマは、「近代文明は人を幸せにするのか?〜昔の日本人から学ぶこと〜」。講師は慶応義塾大学文学部教授の川村晃生先生。古典文学の研究から、自然環境や環境問題に関心が移り、現在人文学の立場から環境問題を考える環境人文学を構想中。また、環境・平和・人権を軸として、市民運動にも携わっていらっしゃる。
 夏目漱石がイギリス留学で直感した西欧文明の影の部分と、幕末から明治にかけて日本に滞在した欧米人が、日本のそれなりに完成している社会システムを評価し、近代文明がその「旧きよき日本」を壊してしまうのでは、という危惧をいだいていたこととは、はからずも重なっていた、という話から始まり3時間の講義。ここで紹介された「逝きし世の面影」という本を読んでみたくなった。

8月23日(水)角田三郎さんから靖国と反戦の話を聞く
 9月の自民党総裁選に立候補を表明している麻生外相は、靖国無宗教化論ともいうべき靖国神社改革案を提案しています。政教分離ということから、一見いいように思える案ですが、これは恐ろしく危ない方向だと思います。靖国法案、つまり靖国神社を国の管理下にするという靖国神社国家護持法案を思い出します。
 今日、角田三郎さんのお話を聞き、一層その感を強くしました。角田さんは、初めて合祀取り下げを要求した人。靖国神社に合祀されている二人の兄はクリスチャン、だから兄の霊を教会に移したいと考えたのでした。
 靖国神社は「天皇の意志により戦没者の合祀は行われたのであり、遺族の意志にかかわりなく行われたのであるから抹消することはできない」という理由で拒否したといいます。その時の貴重な書面も見せていただきました。
 角田さんも、麻生案には強く反発し次のように話されました。「靖国神社が宗教法人であり、神道は宗教であるから、信じてもいいし、信じなくてもいいし、そこには信教の自由がある。けれど、無宗教となったら、そうはいかない。宗教行事なら強制できないが、宗教でなくなれば、慰霊と称して靖国の儀式や行事が当たり前のようになる。イヤでも従わなければならなくなる」と。

8月25日(金)福祉教育委員会
 9時から議会の福祉教育委員会。介護保険に関する請願の継続審査について、議員の視察研修について、堀金保育園の建設検討委員会の経過報告についてなど。終わって帰ろうとしたら、平和都市宣言の請願の紹介議員になってほしいとの話があり、賛同し署名しました。わたしは、平和都市宣言だけでなく、「無防備都市宣言」ができないか考えているところです。

8月29日(火)穂高ファミリーサポート「らっこ」総会
 旧穂高町で始まったファミリーサポート「らっこ」は、会員が運営委員会を作って町の福祉課と協働して進めてきました。行政主導であったり、社会福祉協議会へ委託するのが一般的な運営ですが、運営委員会方式が「らっこ」の特徴です。全国どの地域でも子育て支援は切実な課題ですが、この「らっこ」の実践は、安曇野市の子育て支援の助けになる多くの示唆に富むものと思います。こういった合併前の、それぞれの地域でのファミリーサポートの取組みを大事にしながら、安曇野市としてのファミリーサポートを考えていくと、単にサービスを統一して効率よく運営ができるようにすればいい、ということにはならないような気がします。

8月29日(火)木質バイオマスガス化施設学習会
 黒沢自由塾の主催し、三郷の温農村環境改善センターで開催され、30人ほどの参加がありました。市会議員も7人参加。
 木質バイオマスガス化施設というのは、バイオマス原料(今回の計画では間伐材、りんごの剪定枝、三郷ベジタブルから廃棄されるトマトのツルの3品目)から化学的に水素を抽出するといういうもの。 三郷の室町、野沢地籍境に建設が予定されています。
 近隣地域では説明会があったものの、一般市民にはきちんとした事業計画や事業内容について説明がなされておらず、いたずらに不安や憶測が先行する事態になっているため、市民の呼掛けで学習会が開かれることになったのです。安曇野市産業観光課より事業説明があり、質疑応答にたっぷり時間をかけました。

 穂高クリーンセンターのバイオマスエネルギー地域システム化実験事業(生ゴミの発酵で発生するメタンガスで発電)の問題点を追っている私としては、こちらのバイオマスの事業のことも気になって、何度か市の担当者から話は聞いてきました。しかし、説明を聞くたびに疑問は深まり、今日の学習会では不安の解消どころか、よりいっそう不安が膨らんでしまいました。計画がかなり進んでいるのに住民説明が遅すぎる、バイオマスエネルギーの利点は強調されるが施設の安全性や環境に及ぼす影響などの説明は不十分、民営化事業だといいながら市がどこまで関与するのかなど、問題が浮き彫りになったのは収穫というべきか。