採決にあたって、私は2006年度安曇野市一般会計補正予算・第2号について反対の意見を述べました(これを反対討論といいます)。この結論に至るまでには、補正予算に賛成して賛成討論のなかで問題を指摘するか、反対だと言い切って反対討論をして問題の在処を明確にするか、どちらがいいのかとても迷いました。かなりの逡巡ののちに、次のような反対討論を行うことにしました。
◆2006年度安曇野市一般会計補正予算・第2号に対する反対討論
今回の補正予算・第2号は概ね妥当なものであり、一点のみ問題を挙げて補正予算全体に反対するのはどうかと非常に悩みました。しかし、議案に対して条件付で賛成することはできないことになっていますので、今後に及ぼす影響の大きい問題があることを指摘して、あえて反対の立場をとることにしました。
それは、「安曇野アートリレー」に対する補助金322万円余の問題です。この事業の趣旨は理解できますし、個人的には応援したい気持ちもありますが、市として貴重な税金を投入するだけの公益性、必要性があるかといえば、たいへん疑問です。
このアートリレーの企画書も見せていただきましたが、安曇野市合併一周年記念と銘打っており、斬新なアイデアに溢れる内容であることはわかりますが、市民的な活動としての盛り上がりがまだ不十分であり、県の補助金も含めて322万円余という多額の補助金を、初めから見込んだような計画であるという点にも疑問を感じます。
また、補助金申請の手続き上の問題点もあがっています。
そして何より、安曇野市としての芸術・文化に対する政策的方向性もはっきり打ち出されていないこの時期に、こういった内容の事業に安易に補助金を出すことは、今後への影響が大きすぎると考え、反対討論といたします。
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この反対討論を考えながら、こういった場合は「安曇野アートリレー」の補助金を削除する修正案を提出した方がよいとも考えました。しかし、それには3人の賛同議員が必要であるとか、そうやって提案した修正案が通る可能性のことなど考えるうちに、その意欲がためらいの気持ちに変わってしまいました。
今となってはもう遅いのですが、「修正案が可決される可能性」などは二の次、三の次、市民にとって出来得る限りいい結果となるように努力するのが議員の務め、修正案を出すべきだったと反省しています。