第4回安曇野市議会臨時会の報告

給食センター建設工事請負契約について

 6日(月)午後2時から、平成18年第4回安曇野市議会臨時会がありました。
 議題は次の2件。
 (1)安曇野市中部学校給食センター建設工事請負契約について
 (2)安曇野市南部学校給食センター建設工事請負契約について

 本会議に先立って議会全員協議会が開かれ、議案について教育委員会と管財課から説明がありました。
 指名競争入札ということで、市内に営業所等がある大手業者(いわゆるゼネコン)と市内業者の28社が、それぞれ共同企業体を組んで行われましたとのこと。

 共同企業体というのは、大手建設業者と市内の業者が共同して(ジョイント・ベンチャー=joint-venture、JV)大規模な建設工事を請け負うもの。共同企業体方式にすると、規模の小さい建設業者が単独では受注が難しい大きな工事を受注することが可能になり、市内業者の育成にもつながり、企業利益の向上、さらには市の税収にも寄与するとされている。

 入札の結果、(1)の安曇野市中部学校給食センター建設工事は、戸田・横山建設(豊科南穂高)共同企業体が766,500,000円で落札。(2)の安曇野市南部学校給食センター建設工事は、守谷・山共建設(三郷明盛)共同企業体が735,000,000円で落札。

 ざっと一通りの説明の後は、議員からの質問が続出しました。これだけどんどん質問や意見が出ると、私としては内心「そうそう、そうなのよ!」とか「そこんところを聞きたかったのよ!」などと頷いているだけで充分といった感じでした。
 特に落札率については多くの疑問が投げ掛けられました。予算額に対する落札率が97.5%というのは、競争入札の結果としてはどうなのか。入札制度の見直しなどで落札率が80%〜70%台に下がっているというのが一般的な状況だが、97.5%は高すぎないか。実施設計に当たっての見積もりや予定価格の算定は、市の職員がちゃんとやっているのか、コンサル等に任せっきりということはないか、等々。

 これらの疑問に対して、限られた予算の中で、当初から市場価格をにらみギリギリの見積もりをしながら積み上げた予定価格であったため、入札する方も下げる余地がなかったのではないかとのことで、管財契約課には1級建築士3名、2級建築士2名がおり、業者任せでなく市独自に自立した判断ができるようになっているとの答弁でした。

 落札率97.5%、これが本当に適正なのか、判断に迷うところです。談合などの不正があったという事実がない限り、市側の説明を信じ納得するしかないのですが・・・。

 実は、穂高町の議員だったときに、林道北沢線の改良工事の入札状況について調べてみたことがあります。過去5年間の落札率は95%から98%と高い水準で一定しており、必ずといっていいほど追加工事が出てきて、追加工事の金額を加えると決まって予定価格の105%になるといった工事ばかりでした。担当課長に尋ねると、今回の給食センターの場合と似たような説明でしたが、毎年同じような工事をしているので予算も予定価格も一定のところで決まってきているから、落札率が70%台、80%台になるということはむずかしい、ということでした。
 談合があったという確たる証拠がないので、それ以上追及することはできませんでしたが、とにかく入札制度の見直しが必要だということは、安曇野市になっても変わりはないと思います。

 さて、この林道北沢線の話は余談ですが、給食センター建設工事入札をめぐっては活発な質疑応答があり、本会議開会直前まで議論が続きました。

 午後3時からの本会議では、全協での議論を集約したような反対討論と賛成討論があり、起立採決の結果、賛成多数で二つの請負契約は可決となりました。
 私は、落札率97.5%という点には疑問を持ったものの、市側の説明からは不正があったとは言えず、この二つの請負契約には賛成しました。

※この報告を書いているのは11月13日(月)なのですが、今日いよいよ二つの給食センターの起工式がありました。来年の7月19日竣工予定。夏休み明けからは、「新しい給食」が始まることになります。