「変則ルール」に「場外乱闘」

議会は明文化された「法」を拠りどころとして運営すべきもの

 「変則ルール」に「場外乱闘」、なんとも議会には相応しくない響きですが、こんな言葉でしか言い表せないような事態が起きてしまい、この12月定例議会にも少なからず影響を及ぼすこととなりました。
 先日の12月1日の活動報告で書いていますが、交流学習センター(図書館)建設に係わる議論が発端です。

 11月29日の議会全員協議会(全協)では、「議会軽視」の問題や「予算案の取り下げ」の要求などが飛び出し紛糾したわけですが、いくら議論しようとも全協は議会としての法的な根拠のないただの会議。法的根拠がないのだから、当然ながら議決に関わることのない会議です。どんなに熱心な議論があったとしても、それだけのことで、本会議で発言されなければ議事録にも残らないし議決に影響を及ぼすこともできません。
 そのような全協という場で、いくら時間をかけて議論を詰めようとしても議会としての意味はないし、ましてや市長の権限を無視するような「予算案の取り下げ」要求まで飛び出すようでは、『場外乱闘』じゃないかと言いたくなるのも分かるような気がします。

 この全協がなかなか決着がつかず「議長預かり」となり、その後、議長、副議長、議会運営委員会の正副委員長、福祉教育委員会の正副委員長の6人で協議した結果、再び全協開催となったわけですが、これもよく考えてみればオカシナ話です。
 このような議会運営に直接関わる大事なことを協議するために議会運営委員会があるのだから、そこで話し合えばよかったのです。それをしないで、『変則ルール』で6人が集まって決めてしまったことが、問題を大きくしてしまったと思います。12月1日に再度開催された全協が、さらに『場外乱闘』に拍車を掛けるような形で終わってしまったことは、まったく残念なことでした。

 「議長預かり」とする前に、議会運営委員会で協議すべきだと、きちんと意見が言えなかった私自身も大いに悔やまれました。

 安曇野市議会としてやっと1年が過ぎたところ、議員が28人いても2期目3期目のベテランは少なく、「法」を拠りどころとしてあらゆる事態に即応した議会運営をしていく力量ということになると、まだまだ心もとない感じがします。
 議会運営ということでいえば、私が一番気になっているのは、議長・副議長がいまだ会派に属したままでいるということです。議長・副議長は、議会運営、秩序保持、議長裁定などにあたり、常に中立、公正、公平でなければなりませんから、会派に属したままで務まるとは思えません。
 国会では「不偏不党」「公正中立」の議会運営のために、正副議長は党籍を離脱することになっています。地方議会でも、正副議長の会派離脱を進めるところは多くなっています。安曇野市議会の場合、正副議長がそろって最大会派に属しているというのも気になるわけです。

 今回のような議会運営の問題・課題の奥には、正副議長の会派離脱の是非も透けて見えてくるのです。ここはしっかりと見直しと反省をし、『変則ルール』や『場外乱闘』ごときものがまかり通ることのないような、信頼できる議会にしていかなければなりません。

 私も、もう一度、議員の教科書ともいうべき議員必携(全国町村議会議長会編 発  行:学陽書房)を読み直して勉強しようと思います。