3月議会・小林じゅん子の一般質問

安曇野市第三セクター㈱三郷ベジタブルの経営状況について

 安曇野市議会・3月定例会の一般質問は3月14日、15日、19日の3日間にわたり、20人の議員が登場。
 私の出番は最終日の最後から2番目。良い意味での緊張感がとぎれがちなところへもってきて、「今回は三郷ベジタブル一本で!」と気合を入れすぎたためか、精神的に余裕がなく空回りしてしまったのが残念。肝心の質問を飛ばしてしまったり、言うべきことのタイミングを外してしまったりで、まったく中途半端に終わってしまい、反省しきり。
 言い訳をしても仕方ないので、とりあえず質問内容を報告しておきます。答弁も含めた再質問、再々質問については、議事のテープ起こしが出たところで改めて書くことにします。

 ㈱三郷ベジタブルの経営不振により、一般会計補正予算(第5号)では、農林雑入の「トマト栽培施設使用料」が払えないということで7,138万円が減額となりました。市民のために使われるはずだった7,000万円が一銭も入らないということ、これはたいへんな事態です。
 しかも、それだけではありません。㈱三郷ベジタブルは、今後3年間も引き続き使用料(賃借料)の支払いを猶予すること、そしてその後の5年間については年額7,000万円のところを2,000万円にする旨の契約変更を申し出ています。
 このような経営状況に至った原因について、充分な検証と反省も無く、安易に市に援助を求めるような三郷ベジタブルの姿勢は大いに問題であり、このままでは経営破綻しないとも限りません。今のうちに、何らかの手を打たなくてはなりません。

 そこで、まず、この三郷ベジタブルという会社についてですが、2003年11月に旧三郷村が3100万円、JA、カゴメ㈱、土地所有者などが残りの2900万円を出資して設立された第三セクターです。
 カゴメ㈱の生鮮トマトの生産・販売事業の委託を受け、カゴメの技術指導、栽培基準で生産しています。規格品はすべてカゴメが買い取る契約ですが、しかし、この契約は10年という期限付きです。契約が切れたあと、自力で販路を開拓する力があるのかどうか。石油価格の高騰など生産コストの見込み違いや、水耕栽培という新技術のため試行錯誤の連続であったことなどから、4期目に入った現在も経営が軌道に乗ったといえる状況ではありません。第3セクターとして、このまま漫然と経営を続けることには大きな疑問を感じています。

 今回の補正予算で明らかになった「トマト栽培施設使用料7,138万円の減額」についていえば、企業として当然支払うべき賃借料の支払いを猶予してもらってもなお利益が上がらないばかりか、今後も満足に賃借料が支払えない経営状況であることが露呈したわけです。
 そもそもこの7,000万円という金額は、総事業費20億円のうちの旧三郷村負担分から交付税処置分を除いた約6億4,000万円について、毎年7,000万円を賃借料として払ってもらえば10年で回収できるということで、あっという間に計画が進んでしまったという話も聞きました。
 賃借料として7,000万円が妥当かどうかではなく、三郷村が負担した分は取り戻したいという計算上の数字であり、将来的な経営計画に基づいたものではなかったため、3期目にして厳しい現実に直面することになってしまったのではないでしょうか。今ここで、当初計画が甘かったことを認め、経営実態を明らかにし、経営立直しに着手しなければ、経営破綻は現実のものとなるおそれがあります。
 そこでお尋ねします。

1、このような経営状況に至った原因はどこにあるのか。
2、市の歳入となるべき7,000万円が、今回だけでなく今後もずっとその見込みがないということは大変なこと。市民に対する責任をどう考えているのか。
3、今後の経営の建て直しについて、どのように考えているか。
4、新年度予算に盛り込まれている第3セクター経営状況調査について、㈱三郷ベジタブルはどのような扱いになるのか。