三郷ベジタブルの使用料徴収にかかわる住民訴訟

安曇野市の対応の違法性を問う住民訴訟で長野地裁に提訴

 安曇野市が出資する第三セクター「三郷ベジタブル」に、トマト栽培施設使用料の支払いを求める住民監査請求を行ったことは、みなさんご承知のことと思います。
 以下の3点を要求したわけですが、②の「安曇野市の平成19年度一般会計予算を増額補正するように勧告すること」だけが認められ、それ以外については「監査請求する理由がない」ということで棄却となりました。

①市は、総額7億1,380万円となるはずの㈱三郷ベジタブルにかかる使用料につき減免したり使用料の一部を時効消滅させてはならないと勧告すること。→棄却
②市は、㈱三郷ベジタブルに、トマト栽培施設使用料7,138万円を直ちに請求し→棄却、安曇野市の平成19年度一般会計予算を増額補正するように勧告すること。→市長に勧告。
③市は、市(旧三郷村)と㈱三郷ベジタブルおよび金融機関が結んだ2億5,000万円の損失補償契約は直ちに解除すること。その際に市に生じる損害は、当初の契約責任のある旧三郷村長であった副市長が弁済するように勧告すること。→棄却

 一部ではあれ認められた点は評価していますが、市民が期待しているのは「将来性のないトマト栽培の事業を強引に進めた旧三郷村行政と村長(現安曇野市の副市長)の責任を明確にし、今後二度とこのような問題を起こさぬようにすること」であり、そこまで踏み込んだ監査とはなっていませんでした。住民監査請求で第三セクターの会社を追求することの限界と、市の監査委員が監査することの限界を感じました。

 このうえは、住民訴訟により責任を追及したいと考え、本日21日に、三郷ベジタブルの使用料徴収と損失補償契約について、安曇野市の対応の違法性を問う住民訴訟を長野地裁に提訴しました。(写真は長野市にある長野地方裁判所)
 住民訴訟といっても、訴えうる違法性は限られており、勝訴の可能性も高くはありません。しかし、住民訴訟を闘うプロセスそのものが、第三セクターや三郷ベジタブルの問題を市民に明らかにすることにつながり、そこに大きな意義があるのではないでしょうか。。ウヤムヤにしてはいけない重要な問題であり、市民からの問題提起が今後の市政に大きな影響を及ぼすとともに、住民自治への関心を高めるキッカケになると考えます。

 以下から関連の新聞記事がご覧いただけます。

三郷ベジタブル問題・住民二人が市を提訴
 「対応に違法性」確認求める 11月22日 市民タイムス

違法性確認求め安曇野市議ら提訴 11月22日 読売新聞

安曇野市を住民提訴
 三セクの施設使用料めぐり 11月22日 信濃毎日新聞

安曇野市の三セク補償・差し止め求め市議らが提訴
 安曇野監査委員に 「経営改善ない」 11月22日 朝日新聞

住民有志が市長提訴
 安曇野の三郷ベジタブル問題・使用料請求など 11月22日 中日新聞

安曇野三郷ベジタブル問題
 監査結果不服で住民訴訟 11月22日 大糸タイムス