議員の期末手当の加算制度の廃止について

法に根拠のない制度は廃止し政務調査費の充実を

 3月議会が終わって3週間にもなりますが、やっと一般質問のテープ起こしが済んだ議事録が届きました。それを基に議会広報(安曇野市議会だより)の原稿を書くわけですが、もともとが1時間近くのやり取りを600字弱にまとめるのですから、けっこう悩み多い作業です。ここでは、1500字までは書けるので、広報用にまとめたものにプラスして、もう少し詳しく報告しておきます。右の市民タイムスの記事(クリックすると拡大)も御覧ください。

◆議員の期末手当の加算制度の廃止と政務調査費の充実について
(Q)常勤の市長らの期末手当は「給料月額の40%を増した額」を基準額としているが、この基準を非常勤である議員にも適用している。法的根拠もなく「お手盛り」ともとれる議員の期末手当の加算制度は廃止すべきである。その一方、政務調査費は月額7,500円で十分とはいえず、議員個々の働きに応じて交付されるよう制度改正が必要ではないか。
(A)(総務部長)平成2年の人事院勧告や、国会議員にも加算措置が講じられてきたこと、合併前の旧5町村の条例でも同様の規定があったことから、そのまま加算制度も引き継いでいる。政務調査費は施行から2年を経過したので、今後内容を検証し必要に応じて議員の調査活動基盤の充実を図っていく。
(Q)国会議員に関わる法律を地方議員に適用すべきではない。管理職手当の意味合いを持つ特別加算は不適切ではないか。
(A)(市長)「お手盛り」などと言わず、一生懸命働いてもらえばよい。
(Q)月額7,500円の政務調査費では少ないのではないか、という議員の活動を評価する発言があったが、だからといって、この期末手当の40%加算をそんなに気にしなくてもいいと言われても、「ああそうですか」といってもらう気持ちにはなれない。

(「自分ももらっているくせに」というようなヤジあり)

 「自分だってもらってきたじゃないか」というヤジが聞こたが、であるからこそ私は気がついた時点で、これはどうすべきか真剣に考え一般質問に取り上げた。そもそもこの問題は、議会と行政とがどのように対峙しているかという問題にさかのぼる。人事院勧告に従って、一般職員の期末手当を定めるときには、給与に関する条例の改正が必要で、条例の改正には議会の議決が不可欠。となれば、こうした人事院勧告の拡大解釈で、議員にまで40%加算を適用することにしたそのもとには、「一般職員のボーナス上げたいんだけど、議員さんも一緒に上げるから(条例案の可決を)よろしくね」というような意味合いを感じないわけにはいかない。議員側もそれに甘える面があったのではないかと思う。
 予算に関わることであり、法律に則って適切に期末手当を支給することは市の務めと思うが、市が積極的でないならば、報酬の削減に関することは、議員みずからの決意によって条例改正を行うことができるので、議員として私は加算制度の廃止を進めていきたい思う。

 以上は、一般質問でのやり取りをまとめたものですが、40%加算の金額についてもう少し詳しく説明しておきます。
 常勤の市長らの期末手当は「月額の40%を増した額」を「基準額」としています(役職加算)。これが非常勤の議員にも適用されているのですが、当の議員自身も知らないでいる場合が多い。かく言う私もそうでしたから。
 この制度による議員報酬の「期末手当の加算額」は、1人1年間で475,200円(月額360,000円×0.4×3.3ヶ月)にもなります。議長や副議長はもう少し多いですし、議会全体(28人)では年間13,000,000円以上の出費になります。
 新年度に向けた市長の施政方針、五つの課題の一つには「将来の財政を見通し、経常経費削減を強化する=行政改革の努力により職員の定数純減や給与の削減をする」とあります。市民にも公共料金の値上げなど負担増を求めざるをえない状況にあり、議会・議員としても経費削減の努力が必要です。

 自治法によれば議員は期末手当の支給はOKですが、「その他の諸手当」の支給は許されていません。市は「管理職手当」「役職手当」に相当する40%加算分について、条例で定めているから問題ないというのですが、自治法に定めがないことを、市の条例で決めてしまうこと、それがそもそも「お手盛り」だと思うのです。
 議員の報酬は本来どうあるべきか、現状では多いのか少ないのか、議論の分かれるところですが、少なくとも法に根拠のない制度は廃止するのが筋だとおもいます。