「三郷ベジタブル問題」で第4回学習会

“偽装”に近い中間決算、住民訴訟は実質審理前のジャブ応酬

 7月21日午後は「三郷ベジタブル問題」第4回学習会。堀金、豊科、穂高と場所を移しながらやってきた学習会、今回は地元ともいうべき三郷公民館で開催。
 三郷ベジタブルは社名を「安曇野菜園」と変えましたが、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」では、そのまま「三郷ベジタブル」でいこうということになりました。

 参加者は10数人で、人数的にはちょっとさびしかったですが、話は安曇野市議会の問題や来年の市長選、市議選にまで及び、熱心に意見交換できました。三セクの問題は安曇野市に限ったことではないと、北山県議はじめ松本市で三セク問題に取り組んでいる方々が参加してくださったのは有り難いことでした。

 以下に、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんの報告を掲載しますので、ご覧ください。

「三郷ベジタブル問題」で第4回学習会
   “偽装”に近い安曇野菜園の中間決算 
          住民訴訟は、実質審理前のジャブ応酬

 経営不振の安曇野市のトマト栽培第三セクター「安曇野菜園」(旧三郷ベジタブル)の経営問題を考える学習会が08年7月21日、三郷公民館で開かれ、草の根活動に取り組んでいる市民10数人が参加した。三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会(諌山憲俊代表)の主催で4月5日に次ぎ4回目。長野地裁で続いている行政訴訟の経過や、安曇野菜園が5月に出した中間決算などについて報告があった。

 住民訴訟はこれまで3回の口頭弁論。諌山代表から各回の報告。
 それによると、1月18日の第1回で被告の市側は全面的に争う姿勢をみせた。提訴期限のカウントで市は、妙な論理を持ち出したが、これは裁判長にたしなめられた。
 3月21日の第2回で、こちらから求釈明手続きを取った。

①平成24年までの賃借料猶予はどういうことか
②安曇野菜園の経営状態はどうか
③賃借料減額の理由

 被告側からデータを出させる狙いと、墨塗り情報公開への抗議でもある。6月6日の第3回は長野銀行が安曇野市と損失補償契約を結んだことに伴うもの。地方自治法で行政財産を貸し付けることはできないことから、追加の訴えをした。

 「以上、実質審議はこれからという段階です。提訴8カ月でいまだに前段。しかし、手続き上のことでも、やっているうちにいろいろ見えてくる。旧三郷ベジタブルのずさんな経営も分かってきた。外堀を埋める仕掛けを張り巡らす」と諌山代表は報告した。

 5月30日に出された安曇野菜園の中間決算については、小林じゅん子議員が、須坂市の経営コンサルタント山口長志氏の分析を基に報告。賃借対照表で分かるのは

①長期借入金が3500万円減少しているのに営業要因が見当たらない。未払い金が6200万円増加しており、払うものも払わず借入金を減らす自転車操業。違法性が問題になっている損失補償契約の2億5000万円を、最優先で返済しようとしているのではないか。

②買掛金も3400万円減少している。ガス代の未払い金5500万円など買掛金に計上していたものを未払い金に持っていったと考えられる。

③損益計算書は「作られた計算書」である。偽装に近い。棚卸資産廃棄損1億以上。

 1億1000万が目を引くが、製造原価計算で同額が差し引かれており、経常利益を多く見せるための操作であり、議会や銀行などへの偽装といってよい。資料のなかに製造原価率があるが、第5期上期の47%は異常な数字だ。本当なら、いままで何をしていたかということになる。

 小林議員は「数字を操作してつじつま合わせ。偽装に近い」と述べた。決算期がトマト栽培の収穫期に合わないことも指摘。経営実態がわかる決算期に変えるよう議会で主張していることを説明した。

 また、安曇野市長に対し、三郷ベジタブルと結んだ建物等賃貸借契約についての監査請求は、指定管理者である会社(三郷ベジタブル)から市の損害を回収するという考え方は不自然という理由で、安曇野市監査委員は7月16日、請求を退けた。