定例議会後に発行している「種まき通信」の方も、お正月気分もそこそこに早めに編集を始めたのですが、結局今日までかかってしまいました。これから事務所のリソグラフで8000枚を印刷し、28日には豊科地域へ新聞折込する予定です。
ここでは種まき通信第25号に掲載したもののなかから、12月議会の議題に上がっていた「三郷やすらぎ空間施設の指定管理者の指定について」を報告しておきます。
◆議案第178号 公の施設の指定管理者の指定について(安曇野市三郷農林漁業体験実習館、安曇野市三郷室山研修施設、安曇野市三郷やすらぎ空間施設)
12月議会では、公の施設の指定管理者の指定に関する議案が31件もあり、なかには問題・課題を指摘されたものもありましたが、採決の結果すべて可決。09年度からの指定管理者が決まりました。私は、三郷やすらぎ空間施設(リストランテこむぎ亭)の指定管理については当初から疑問を持っていたので、引続き㈱ファインビュー室山が指定管理者として管理運営していくことには反対しました。以下は、私の反対討論と、それに対する賛成討論です。
【反対討論・小林じゅん子】
「やすらぎ空間施設=リストランテこむぎ亭」の指定管理者となっている㈱ファインビュー室山について、市の説明は「施設設置の目的、目標を実現すべく努力していることから、いろいろな問題があることは認めつつも、次期3年間のなかで経営を改善する、あるいは民間委託も考える」ということで、引き続き指定したいということであった。
しかし、これまでのこむぎ亭の運営については、開業以来2年間赤字が続いている。それも年間700万円もの大きな金額である。市の三セクである㈱ファインビュー室山が指定管理者として運営していることから、ファインビュー室山(宿泊施設)の経営で上げた利益で、この「こむぎ亭」の赤字を吸収する形になってしまい、赤字経営の実態がはっきり見えてこない。
問題が表面化しにくいので、市は指定管理者に任せきりで管理監督が甘くなっている。そのことが最もあわれているのは、毎年指定管理者に報告を義務付けている年次報告書の扱いである。これが非常にいいかげんな形で報告されていた(注1)にもかかわらず、そのことに市は気づかず、今年の6月議会で指摘され、慌てて修正報告させたというのが現状である。
こういったことは、指定管理者制度そのものの問題点があらわになったというべきで、その基本的な問題をそのままにして、今後3年間指定を更新するということには賛成できない。半年なり、1年なり、「こむぎ亭」の営業をとめてでも、指定管理制度でやっていくのかどうか真剣に考えた方がいい。以上のような理由から、この議案には反対(注2)である。
【賛成討論・本郷敏行議員】
ただいまの反対討論に対して、三郷やすらぎ空間施設の指定管理者の指定について賛成の立場で意見を述べる。確かにいろいろと問題はあろうかと思う。しかし、これは先ほどから議論されているように、指定管理者全般にかかわる問題でもあろうかと思う。そうしたなかで、市としても見直していくとの方針も示している。
それから、また、この施設に関しては、それなりの実績を上げている。利用者の評価も高いということで、今後も円滑な管理が期待できるというふうに見るべきであろうと思う。
特に㈱ファインビュー室山は、宿泊施設の利用度は非常に高く業績もいい。確かに、やすらぎ空間については問題もあろうかと思うが、しかしながら、ここでも利用者の数は増加している。それなりに努力をしているということは認めるべきであろうと思う。よって、私は、委員長報告どおり可決することに賛成である。
(注1) 情報公開請求して出てきた「こむぎ亭」の年次報告書の収支報告には、仕入原価の記載がなく、500万円余の黒字になっていました。仕入がなくて商売できるはずはなく、実際には700万円余の赤字だったのです。9月議会で間違いを指摘されるまで気付かなかったのは、行政の怠慢としかいいようがありません。
(注2) この議案は反対少数(賛成多数)で可決されました。私の議席は最前列にあるので、採決の時に全体が見渡せません。誰が賛成して、誰が反対したのか、実はよくわからないのです。「反対少数」といっても、反対したのは私だけだったのかもしれません。