国民健康保険税値上げ関連2議案に反対する

表決にあたっての小林じゅん子の反対討論(2)

◆安曇野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論いたします。
 国民健康保険運営協議会からは、苦渋の決断であるとして、国保税15.5%値上げの答申がありました。市としては、経済の悪化による所得の減少や失業による国保加入者の増加等を考慮するなか、一般会計から約2,800万円の繰り出しを行って値上げ率を15.5%から14.1%に2年間据え置くことで市民に理解を求めています。

 しかし、国保加入世帯の実態を考えると、他の医療保険と比べても負担能力が弱く、なおかつ医療費が相対的にかかっているのが国保の世帯です。また、これほどの世界的不況にあっては、雇用の悪化により職を失い国保に加入する人は増えこそすれ減ることはないでしょう。値上げ率を14.1%に下げたと言っても、それは気持程度でしかありません。大きな負担であることは変わりません。

 保険料で急増する医療給付をまかなうのは無理があり、国が補助率を下げたために、構造的に市町村が一般会計から繰り入れをしなければならないようになっているのが現状です。
先日の議案説明で市民環境部長は、「国が減らしてしまった国庫支出金の復元を求めたい」と発言されましたが、わたしもその通りだと思っています。そういった地方からの強い意思表示とするためにも、あえて反対討論とするものです。

◆2009年度(平成21年度)安曇野市国民健康保険特別会計予算について、反対の立場から討論いたします。
 現行の料金では医療給付費や介護サービス給付費等が増大することによって今後3年間の健全運営が難しいため、値上げせざるを得ないが、税率の改正については一般会計より約2,800万円の繰り出しをして、値上げ率を15.5%から14.1%に2年間据え置くことで市民に理解を求めています。

 議案第4号の国保税条例の改正に反対する討論でも述べているので、前段は割愛しますが、値上げ率を14.1%に下げたと言っても、それは気持程度でしかありません。軽減措置があるといっても、大きな負担であることは変わりません。

 保険料で急増する医療給付をまかなうのは無理があり、国が補助率を下げたために、構造的に市町村が一般会計から繰り入れをしなければならないようになっているのが、国保制度の現状です。そのうえこの不況ですから、一時しのぎと言われようとも一般会計からの繰入金を増やし、国保税の引き上げを抑えるべきです。

 こういうと、一般会計から多額の繰り出しをすることは、国保加入者にとっては負担減となるが、それ以外の市民にとっては、自分の健康保険料と他人の国保料を二重に負担していることになる。不公平であるとの声も出ますが、そうではありません。国保は、失業したときでも、年金生活になったときでも、だれでも加入できる社会的セイフティーネットです。市民みんなで支えていくべきものです。

 そもそも国保税がこれほどの重い負担となっているのは、政府が国庫支出金を大幅に減らしたことにあります。この復元を政府に強く求めることが必要であることを付け加えて、私の反対討論といたします。