以下に、三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会の横地さんから、傍聴のレポートをいただきましたので掲載します。
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三郷ベジタブル・堆肥センター問題先送り
安曇野市議会一般質問、かみ合わぬ答弁
平林市長「検討しているが、決定時期でない」
安曇野市議会は09年3月11日、一般質問を続行。小林純子議員は、第3セクター安曇野菜園(旧三郷ベジタブル)と三郷農業振興公社(堆肥センター)の経営問題と情報公開条例の運用について質した。
安曇野菜園の処理について、平林市長ら行政側は「なお検討が必要。軽々な決断はできない」などと問題を先送りし、明確に答えなかった。安曇野市は10月に市長選・市議選を控えているが、3セク経営判断と選挙がどう絡むか、見通しが効かない答弁だった。市議会は3月19日、閉会した。
平林市長は12月市議会で「安曇野菜園経営は第6期の業績を見て政治的判断をする」と述べた。第6期の第1四半期生産販売状況がこの2月に報告され、新品種・ルビーの売上げは計画の22%にとどまるなど、厳しい実績だった。
この日の答弁で平林市長は「期待に反し、今後が心配になるスタート。ありかた検討委員会は、経営診断を受けマネージメント強化を図るよう指摘、市に対し厳格なチェックと抜本的な検討への着手を求めている。しかし、ただちにどうするか、企業としてすぐ次善の策とはいかない。第6期の状況を見る中で、将来に道があるか、ないならどう抜本的な手を打つか。選択肢はすでにいろいろ考え、検討している。決定はうかつにはできない」などと答えた。
小林議員は、松本市、須坂市などの第3セクター清算処理を例に挙げて追及、市長任期中に政治判断の目鼻をつけるよう求めた。これに対し平林市長は「準備は始めなければいけない。どういう方向がいいか。代替作物など、いろんな視点で検討が必要。任期中うんぬんの話があったが、企業にはいいときも悪いときもある。決断にはもうちょっと時間をいただきたい」と述べるにとどまった。
さらに小林議員は安曇野菜園のキャッシュフローが厳しくなっている事実を指摘。この6月ごろに「資金ショートが起きないか」と西山副市長(安曇野菜園社長)を質した。これに対し副市長は「いまの状況では資金ショートはないと思う。苗を買うにしても、きょう買ってきょう払うわけではない。やりくりできる」と説明。小林議員が「(事実上の)短期借入でどこまでやれるか。副市長のいうようなのんきな状況ではないと思う」と質すと、「お金はそれなり入ってくる。累積赤字を消す余裕はないが、十分回る」と答えた。
質疑の冒頭、安曇野菜園の累積赤字を問われた二木産業観光部長は貸借対照表をもとに繰り越し利益剰余金▲3億5千万円、債務超過2億3千万円、負債5億5千万円と答弁。損失補償の借入残と未払い金を問われ、計3億7千万円万円あると説明。小林議員は、このほかにも毎年7千万円を越す起債償還があることを挙げ、市民負担が膨らむことを強調した。
「し尿の野積みが続いている」堆肥センターで小林議員指摘
三郷農業振興公社(堆肥センター)の経営問題も、すれ違いの答弁が目立った。行政側は二木産業観光部長が、経営改善計画提出の遅れについて「外部委託したこともあり」などと歯切れ悪い説明。
小林議員は、20年度に多額の施設補修をした上に、21年度予算で屋根などの修理費を計上していることを追及した。二木部長は「センターはそれなりのメンテが必要。屋根は以前から傷んでいた。柱など躯体がどうなっているか確認するため予算化した」などと細かく説明。わずか5軒の畜産農家のために指定管理料、借地料など毎年1200万円を支出、さらに多額の修繕費まで払うことについて、納得できる説明はなかった。
小林議員は「堆肥センターが稼動しているこの7年、家畜し尿の野積みは続いている。できるだけ早く経営を見極め、基本構想見直しを求める」と述べて、3セク問題の質問を終えた。
(以上報告まとめ・横地泰英)