「菜園てこ入れが最善の策」−平林市長
「現時点では改善効果疑問」−小林議員
安曇野市議会一般質問 安曇野菜園経営問題、すれ違いの答弁
安曇野市議会は09年9月15日(火)、一般質問を行い、小林純子議員はトマト栽培の三セク・安曇野菜園経営について質した。6期決算が3800万円の赤字見通しになったのを踏まえ、①黒字化する中期経営改善計画は初年度からつまづいた。6期決算をどう分析評価するか②平林市長は今議会で、菜園継続を基本に経営や技術支援し所期の目的達成をめざすと述べたが、事業継続の根拠は何か③経営責任、行政責任、政治責任を明確にするべきだ、と3点に絞って質問した。
二木産業観光部長が「赤字は、技術不足による。緊急経済対策による補正予算案を計上、経営再建に努力し、なんとか右肩上がりにしたい」と答弁。小林議員が「現時点でこの支援はむだになる恐れが大きい。カゴメも栽培条件の難しさをあげたと言う。補正よりも考えることは他にあるのではないか」と質した。平林市長は「(20億円を超す)施設は、旧三郷村が議会議決を経てつくり、合併後の安曇野市が引き継いだ。民意に基づいており、いますぐ破綻させるわけには行かない。経営にてこ入れし、再生努力するのが最善の策。他の三セク経営にも影響する。いい方向に行くかもしれない」などと答弁。
小林議員は木質バイオマス・ガス化事業の廃止を例に①菜園問題の決定が、他の三セク経営判断の前例になる②破綻を含め必要な判断をしなければならない。いまごろ経営・技術支援する効果があるのか、と迫った。平林市長は「無駄というのは小林議員の判断。いま一度再生のため打つ手はある。あとの人(次の市長)の負担にならぬようにする。民間に移す手法があるか、経営母体をどうするか、庁内でも鋭意詰めている」と答えた。しかし経営改善策は、ただ「やる」「努力する」というだけで実現の根拠は乏しく、市長答弁はすれ違いのまま終わった。論点のずれも目立った。
安曇野菜園の経営改善計画はこれまで6年間に2度策定され、さらに中期計画で修正された。しかし、改善どころか赤字は膨らむばかり。いずれの計画も施設使用料の値下げや支払い猶予が前提で、起債償還は市の財政に大きな負担をかけている。平林市長はこの日、「7期もだめだったら、資金ショートで動けなくなることも。ときどきの判断をしなければならない」とまで言及。“暗い想定”に傍聴席から吐息がもれた。
退職金問題に副市長「答えられない」
小林議員は最後に、安曇野菜園の代表取締役会長である西山副市長の経営・政治責任を追及。「副市長には退職金約1000万円が払われる。市民感情として納得できない。ご自身どう考えるか」と迫った。西山副市長は「慎重に考えないといけない。今ここでは答えられません」と答弁を避けた。(報告・横地泰英)