この時期の臨時議会は補正予算の審議が主なものです。歳出予算の執行額と国庫支出金等の歳入予算の確定に伴う計数整理を中心とした最終補正で、通常なら新規の事業予算の提案はほとんどありません。しかし、今年は国の第2次補正予算で出てきた「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」3億8,000万円に係わる予算があり、2日間かけて審査することになりました。
24日は議案説明、質疑、委員会が行われ、本日25日午後4時より、委員長審査報告に対する質疑、討論、採決が行われました。
今回の安曇野市一般会計補正予算第5号には、私が関わっている安曇野菜園関連の裁判や、北小倉の一般廃棄物処理業の許可処分取消請求裁判の裁判費用が債務負担行為として出てきました。これに関して、私は以下のような反対討論をして補正予算には反対しましたので、まずはそれを読んでみてください。何を問題と考えているかがおわかりいただけると思いますので。
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◆2009年度(H21年度)安曇野市一般会計補正予算第5号について反対討論
年度末の補正予算であり、また国の「きめ細かな臨時交付金」による事業も盛り込まれ、その効果も期待されている補正予算ではありますが、債務負担行為補正のなかで同意しがたい内容がありますので、以下に述べます。
それは、一般廃棄物処理業の許可申請許可処分取り消し請求事件の裁判に関するものです。安曇野市は今回の訴訟にあたって、市が一般廃棄物処理業の許可を与えた、まさにその業者が第三者として訴訟に参加することになりました。
これは訴訟の補助参加というものですが、訴訟の結果について利害関係を有する第三者が、当事者の一方を勝訴させることによって自己の利益を守るために訴訟に参加することであり、法律で認められていることではあります。
しかし、今回の裁判でいえば、許可を取り消されては困る業者が、安曇野市を勝訴させるために訴訟に参加したということになります。一般廃棄物処理業の許可を与えた市の判断そのものの是非を問う裁判において、利害関係がある当該業者と共同して住民と争うということですから、住民の側に立つのか業者の側に立つのか、公平・公正であるべき行政の姿勢が疑われることになります。
いくら法的に問題ないことだと言っても道義的には許されるものではないと考えます。
訴えられた市としては、受けて立つために裁判の経費は当然必要ですが、第三者の補助参加をさせて住民と闘うことは容認できません。
そもそも、昨年の3月定例議会で議会は「増田建設産業(有)が申請した一般廃棄物処分業許可に対し不許可を求める陳情書」を採択し、市に対して不許可にするよう求めたにもかかわらず、市が許可を下ろしたことで訴訟にまで発展したものです。
市が適切な判断をしていればこのような事態には至らなかったはずです。
以上、反対する理由は裁判費用の債務負担行為に関するその一点のみですが、非常に重大な問題と受け止めておりますので、これをもって安曇野市一般会計補正予算第5号に反対することはやむを得ないと判断しました。
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昨日の本会議では、この裁判費用の補正予算について、私と松澤議員の二人が質疑をし、特に北小倉の一般廃棄物処理業関連の裁判問題については、ある程度アピールできたかと思います。
しかし、その後、委員会審査が行われましたが、総務委員会では「市総務部は裁判費用について請求があれば払うだけで、裁判の中身については市民環境部の方で対応しているのでわからない」との答弁で逃げられてしまいました。(傍聴しました)
環境経済委員会でも、市民環境部から「予算計上については総務部の方でやっているので、予算書のとおり」みたいな話で終わってしまい、議論にならなかったとのことです。(傍聴できなかったので、これは伝聞です)
このような委員会審査の経過を受けて反対討論をしたのですが、補正予算の中のただ一点について異議有りということで補正予算全体を否定するのは、かなり抵抗があることは確かです。新人議員のなかには、「賛否の判断に非常に悩んだ」という声もありました。
私の反対討論のあと、浜議員が賛成討論を行い、採決となりましたが、H21安曇野市一般会計補正予算第5号に反対したのは私と共産党の3議員だけだったかと思います。他にも反対して起立しなかった議員がいたかもしれませんが、瞬時に議場全体の確認できず、正確な数字はわかりません。
それにしても、裁判費用の予算計上での疑問(債務負担行為として計上※)や、市の裁判に対する姿勢など問題は多いので、そういった観点からも新年度予算の審議のなかで、議論していきたいと思っています。
※債務負担行為の期間は「事件結果が判明する日まで(判決が確定するまで)」で、限度額は「委任事務の処理にあたる報酬及び訴訟費用(弁護士費用)等」となっており、金額が明示されていません。
◆平成22年 安曇野市議会 第1回臨時会審議結果はこちらから