堆肥センターは「改善」強調するも赤字縮小の中身あいまい

公共性・公益性の名のもとに見て見ぬふり、問題の先送りは許されない

 安曇野市議会3月定例会の一般質問、二つ目の質問は三郷堆肥センターについて。
 安曇野市の第三セクター・三郷農業振興公社が指定管理者として管理運営している三郷堆肥センターは、旧三郷村が8億円を投じて建設し平成13年に開業しましたが、毎年赤字続きで危うい経営を続けています。

 合併により安曇野市が引き継いだこの堆肥センターは、建設費8億円のうち旧三郷村が起債した分についてはまだ償還が続いています。その他にも、これまでに施設設備の修繕費用として9,072万円。補助金や指定管理料として1億6,576万円。借地料として1,800万円。合計2億7,448万円=ざっと3億円近くの金額を市の財政から負担してきたことになります。

 しかし、市内の畜産農家51に対し利用畜産農家はわずか5軒。経営面、技術面、いずれを見ても力不足であることは、これまでの実績から明らかです。公共性・公益性の面から堆肥センターと三郷農業振興公社のあり方、存在意義を問われるものであり、これ以上の問題の先送りは許されません。

 そこで、3月末で期末を迎える第9期の決算の見通しはどうか。経営改善に向けてのこの1年間の取り組みについて、その成果はあったか。この2点についてまず質問しました。以下、「三郷ベジタブルの経営改善を望む市民の会」の横地泰英さんのレポートです。

 村上副市長は「経営改善に努め、今期は撹拌機も順調に稼働し堆肥の生産販売ともに昨年を上回るペースで今のところ順調。販売も促進し、少なくとも今期は期待できる」と説明したが、経営改善に取り組む体制については、残念ながらこの1年間は十分ではなかったと答弁。
 「8期決算は、期末在庫や半製品を含めると、赤字幅縮小とはいっても実態と違う。(安曇野菜園決算の)トマト仕掛品と同じで見かけと中身が違う」と、農家が支払う利数料などを含めて突っ込むと、具体的説明に窮した。

 安曇野市には畜産農家51軒があるが、センター組合員農家はわずか5軒。小林議員が公益性、公共性を問うと細川産業観光部長は「5戸の利用ということが入り口にあるが、土づくり、有機肥料販売で公益性はある。ダンプカーで300軒にバラ堆肥を配り、袋詰めは8千袋、利用者は多い」と答弁。
 小林議員は「自画自賛の説明を並べられても、納得がいかない。経営が成り立たない状況で、新年度には屋根の改修に1億円もかけるなど考えられないこと」とばっさり。