市長には、このアンケートの結果から(1)「新本庁舎建設」を考え直すつもりはないか。(2)住民意思の確認のために住民投票を行う考えはないか。この2点について確認しましたが、いずれもNOのお答え。
市長自らの決断により「住民投票を市長提案」してもらう、これが一番いいと期待していましたが、その可能性はなくなりました。
そうなると、次の手段としては「議員提案」による住民投票条例の制定ということになります。今回のアンケートには、「この結果を議会に反映していきます」と明記したわけですし、なによりも8000ものご意見をお寄せいただいたのですから、議員としてできること、議員だからこそできるアクションを起こさなければいけないと強く思いました。
このアンケートへの関心が薄れないうちに提案するのがベストと考えて、3月定例会に間に合わせようと住民投票条例の議員提案を検討してきました。
ところが、「住民投票は必要だが、今はその時期ではない」「アンケート結果を大事にして、建設反対という市民の声をもっと広げることが先だ」という意見もあり、議員提案に賛同してくれたのは7人中4人。市民タイムス記事にあるように、新年度予算の修正動議には議員有志の会7人が賛同しましたが、住民投票条例案の方はなかなかまとまとまりませんでした。
3月14日からの一般質問に市長がどう答えるか、その答弁によっては議員提案もありうるという議員もあったので、私のほうで条例案だけは準備をしておくことにしました。
そのうち、3.11の大震災に見舞われ、「復興にはどれだけの財政出動が必要かわからない。こんな非常事態に80億円もの庁舎建設など当然見直しになる。住民投票するまでもない」という考えからか、賛同者が増えたり減ったり。
議会最終日の22日、土壇場で4人の賛同者のうち2人が抜け、議案提出に必要な賛同(賛成)議員3人が確保できず、住民投票条例の議員提案はなりませんでした。
私は、新庁舎建設計画の進み具合から見て、住民投票はできるだけ早い時期に行うのがよい、また住民投票を議員提案することで新庁舎建設問題への関心が高まる、そう考えていました。そして、市長、議会と市民の考え方に大きなギャップが生じている現状からは、今すぐにも直接に民意を問うことが必要であると考え、住民投票条例を提案したのです。
市民自らが真剣に考え、意思表示をする。これが何より大切なことであって、震災の影響で新庁舎など建てられる状況ではなくなるとか、住民投票の必要もなくなるとか「なりゆき」に任せることではないと、強く言っておきたいと思います。
◆安曇野市新本庁舎建設のあり方を問う住民投票条例の制定について
賛成者が3人集まらなかったため、幻となった議員提案です。