本庁舎の建設用地取得等の10億5,070万円の補正予算に反対

わたしたちは今、これまでの生き方に転換を迫られている

 議案第50号平成23年度安曇野市一般会計補正予算(第1号)に反対討論をしました。「用地取得費の10億5,070万円に反対なら、それだけを補正する修正案を提案すべき。ただ反対するだけでえは無責任」という批判は甘んじて受けるとしても、それでも庁舎建設に反対する少数意見にも耳を傾けてほしいと前置きして、私の意見を述べました。
 ただし、私より先に反対討論した松沢議員、下里議員、吉田議員と重複する部分が多かったので、前半部分は割愛しました。ここには、反対討論の全文を掲載しておきます。

◆議案第50号 平成23年度安曇野市一般会計補正予算(第1号)に反対討論
 わたしは、もともと79億8千万円の本庁舎建設には反対しておりますので、当然用地取得と移転補償にかかわる10億5,070万円の補正予算にも反対です。
 10億5,070万円は基本計画で示された用地補償費より増額となっています。この増額の説明は、広い敷地を確保することで、効率的な平面計画が可能となり、建設工事費の削減が図れるので、全体としては計画通り79億8千万円で収まるというものでした。これだけなら良さそうな気もしますが、市長も認めているように、震災復興のために資材不足、価格の高騰、消費税の引き上げ等、不安材料はたくさんあります。計画通り79億8千万円に納めるというのは困難だと思います。

 加えて、「現行の国の制度や現在の社会情勢が大きくが変わらない」という前提で作られた市の財政計画は、3.11大震災後に見直しもされず、市長はといえば二言目には「合併特例債が使えるうちに」そればかりです。どうして合併特例債だけは大丈夫と思うのか、わたしはその市長の判断が理解できません。

 先日の信濃毎日新聞のアンケートに市長は、復興財源の確保を目的とする増税について「何ともいえない・分からない」「増税は避けられない状況だが、国民生活への影響は未知数」と答えています。「不安は尽きない」「分からない」というのであれば、この際、本庁舎建設の是非は安曇野市民に判断を委ねたらいいのではないでしょうか。市民もそれを望んでいます。

 賛成討論では「これまでずっと長い時間をかけて庁舎建設について議論を重ねてきた。もういい、早く建設を」と言うのですが、3.11の前と後で、状況は決定的に違ってしまいました。それは、福島第一原発の事故で放射性物質が放出され続けているということです。この目に見えない感じることもできない有害物質は県境を越えて日本中に広がっています。もはや逃れる場所はありません。そんななかで生きていかなければならない日本が、これからどれだけのダメージを受けるか見当もつきません。政府は静かに崩壊しつつあるように見えます。頼るべきは特例債ではなく、安曇野市民の力ではないでしょうか。

 わたしたちは今、これまでの生き方に転換を迫られているのだと思います。