何がそんなに気疲れかというと、新本庁舎建設のことです。12月の議会で「本庁舎建設のあり方を問う住民投票条例案」が否決されたあと、年が明けて1月には新本庁舎の基本設計がまとまり、3月に入ってからは市内5地域で市民説明会も開催されました。建設計画のダイジェスト版も配布され、「先進的で素晴らしい市役所ができます」「合併特例債を活用し健全財政を維持します」「防災の拠点となります」などと、建設計画はこれで決まりというところまで来てしまったからです。
既存庁舎等を活用して必要最小限の規模で整備することを考えてきた私としては、現在の議会が置かれている堀金総合支所を今後も議場として使い、上下水道部などもこちらに入れれば、新本庁舎は4階建から3階建に規模縮小し、建設費を抑えることができるのではないかと。住民投票条例に賛同してくれた議員とも相談したのですが、なかなかまとまらず・・・。
結局、議会最終日に一般会計予算の修正動議という形で「新本庁舎建設に伴う債務負担行為の予算の修正案」が提出されました。(発議は荻原議員、吉田議員、松沢議員、下里議員、猪狩議員の5名)
この修正案では、堀金総合支所の議会施設と穂高健康支援センターをこれまで通りに使用することで、22億円余が減額できるという説明でした。健康支援センターを使うという点は私の案とは少し違いますが、本庁舎が4階建から3階建に規模縮小するという考えは共通していたので、私はこの修正案に賛成しました。採決の結果は、賛成少数(6名)で残念ながら否決となりました。
さあ、こうなると、また建設賛成派の議員が当然のごとくにこう言うのです。「議会の議決=合議体として議会の意思は多数決で決まるんだ。議員は市民を代表しているのだから、安曇野市民の意思ということだ。反対した議員も議決には従うのがルールというものだ」、ようするに「もう決まったことなんだから反対するな」と言いたいのです。
たしかに議決の上では「反対した議員もそれには従う」ということになります。決まった予算の執行を妨害したり、決まった条例に違反することをしたり、そんなことはできません。
しかし、反対した議員の思想・信条・信念まで「転向」することを強いられるわけではありません。私は今でも、「本庁舎建設には問題あり」と考えていますから、同じ考えを持つ多くの市民の側に立ち、法的に許された手段により訴えようとしたわけです。それが議員の務めだと考えるからです。
多数決による議会の決定に従って、個々の議員の思想・信条・信念までも否定されるのであれば、議会のチェック機能など働きようもありません。