安曇野市議会改革委員会がスタートしました

― 改革というより、議会本来の機能を果たすための基本の再確認 ―

 6月4日、安曇野市議会改革委員会がスタートしました。これまで議会改革検討委員会というのがありまして、文字通り「検討」を重ねてきました。2年以上に及ぶ「検討」でした。 とはいえ、「検討」したのは政務調査費と議員定数の2項目についてのみ。議会改革は政務調査費と定数に限ったことではないのですが、そこからしか始められなかったのです。なぜか?議会改革の必要性を身にしみて感じている議員が少なかったからだと、わたしは考えています。

 「議員はいったい何をしているんだ」、「それなのに報酬が高すぎるんじゃないか」、「だったら28人もいなくていいだろ」、そんな市民の声ばかりが耳に入ってくるので、ついついそんな批判をかわすために議会改革にすりかわってしまった、というのが実態ではないでしょうか。政務調査費についても、金額が多いか少ないか、使い方が適正かなど議論するのは議会改革でも何でもなくて、常に心掛けていなければならない当たり前のことです。

 現状に問題や課題があることに気付かなければ、改革など考えようもありません。ましてや、現状を是として、多数派の都合のいいように変えていくのは「改革」でもなんでもありません。会派制をとっている安曇野市議会は、「会派に入らない無所属議員は議会運営委員になれない」とか「無所属議員は一般質問の持ち時間を制限される」とか、そうそうもっとヘンなことでは「会派の意見だから議員の個人名は議会だよりに掲載しない」といったルールまでありますが、それじゃあ会派制自体どうなんだという議論は捨て置かれたままです。これはほんの一例ですが、このように改革につなげるための現状認識さえ十分にできていないのです。

 このところ、「議会改革」、「議会基本条例」が流行り言葉のようになっていますが、条例などなくても地方自治法に従って議会改革を進めることに、それほど大きな制約はありません。全国初の議会基本条例を定めた北海道の栗山町議会は、議会改革を実践することで結果として得られた成果を、議員が代わることでなし崩しにされることがあってはならないと、議会基本条例の形にしたのです。議会改革の結果として条例化できたということが重要なポイントです。条例化しないと議会改革ができない、あるいは条例化することで議会改革が進む、ということではけっしてないのです。

 しかし、安曇野市議会では、こういった考え方に共感する議員は残念ながらごくわずかでした。議会基本条例を制定することで議会改革に取り組む、安曇野市議会はその方向で進むことになりました。  そうと決まったからには、その枠組みのなかで頑張るしかないと気持を切り替え、改革委員会に名乗り出ました。委員に手を挙げた議員は多く、最後は抽選で決めたのですが、幸運にもクジを引き当て13人の委員の仲間入りができました。第1回の委員会に出席したところ、これまであまり役職には縁がなかったわたしが、気が付けば副委員長ということになっていました。  これを書いている時点で、すでに5回の委員会を重ね、これまでとは比べ物にならないスピード感で進行中です。できるかぎりここでも報告していきたいと思います。