給食会計の公会計移行、給食会計5億円の監査、給食の地産地消

地産地消度が高い堀金給食センター

~安曇野市議会3月定例会
 小林じゅん子の一般質問(その2)~

 給食費の公会計移行というのは、市立小中学校・幼稚園の給食費を現在の学校ごとの私会計から市の公会計に切り替えること。学校給食法では、調理設備や調理員などの経費は市など学校の設置者の負担で、食材費は保護者の負担としています。つまり、保護者が給食費として負担しているのは食材費ということになります。

 給食費の会計は学校(給食センター)ごとの独立会計のため、滞納があったりして不足金が出た場合、あるだけの予算の中でやりくりしてコスト減の献立に変えていかなければなりません。公会計であれば、保護者から納入される給食費は直接に市の会計に入ることになり、市の予算の中でやりくりできるようになるので、給食の質が低下するようなことが無くてすむことになります。

 また、私会計では「給食費が払えるのに払わない滞納者」に対して、支払いを促すにも相手の善意に訴えるか裁判を起こすしか方法がありません。公会計にすると、法的な裏付けができるので滞納に対する対応がしやすくなります。
 そして、なにより5億円にものぼる給食会計が私会計であるために、きちんとした監査体制もなく処理されていることの問題は大きいと思います。

【小林質問】 給食費の公会計移行について、安曇野市では検討しているか。

【市長】 学校給食費は現在市会計で処理をしており、民法上の私債権の取り扱いをしている。公会計化を進める自治体がふえてきているので、公会計について研究を進めるよう担当部局へ指示を出している。27年度からは給食費が統一的に口座振替による徴収になるので、他自治体の状況等も踏まえて公会計化の研究をしていきたい。

【小林質問】 安曇野市の学校給食の会計は4センター合わせて年間で5億円を超える。にもかかわらず、PTA役員や校長先生が会計監査をしている現状に不安を感じる。公会計移行まで待つのでなく、監査の体制については今すぐにも検討していく必要があるのではないか。

【教育部長】 学校長1名並びにPTA役員2名を選任して会計監査に当たっているが、この監査委員の負担は非常に大きい。専門的な知識を持った機関の導入なども視野に入れながら、工夫、改善ができないものか検討していきたい。

【小林質問】 安曇野市学校給食理念を実現していくためには、現状給食費の値上げもやむなしということだと思うが、この1年間は給食費の節約を進める中で単価の安い米飯利用が進んだことで、結果として栄養のバランスがとりやすい米飯給食の日がふえ、地産地消も進んだといえる。給食費値上げ後の米飯給食については、どのように考えているか。

【教育部長】 今回値上げしすることで、また米飯給食を減らすことはない。引き続き同じ数で行う。ただ、全て米飯にする考えは今のところない。

【小林質問】 給食理念の中で2番目の食育の推進ということでは、食育の中に子供たちのリクエストによる希望献立というものは位置づけられているか。希望献立の現状は、主食、主菜、汁物、デザートについて、それぞれ3択メニューから選んで集計した結果をもとに作られるなど、食育の絶好のチャンスである希望献立が、実は食育に逆行しているということはないか。

【教育部長】 指摘された内容を学校や給食センターとも確認していく。

【小林質問】 給食理念の6番目、栄養のバランスのとれた給食の提供という点で、中部給食センターではマーガリンや砂糖、卵を基本パンの倍以上配合した口当たりのよいパン(菓子パン的なもの)を提供しているが、これについてはどう考えているか。

【教育部長】 ほかの3センターについては、学校給食会提供のパンを出している。中部センターについては、地元業者の提供で合併前から続いているものである。この業者とも(食事パンとしてどんなパンがいいか)打ち合わせをしていきたい。

【小林質問】 学校給食理念の中でもとりわけ重要な地産地消の推進のため、学校給食(栄養士)と農家を結ぶコーディネーターを配置してはどうか。

【農林部長】 JAあづみや直売所等にコーディネーター的役割を部分的にお願いしている。栄養士と生産農家が互いに地産地消に向けて、情報収集・交換できるよう農林部としても協力したい。