増田建設産業・防音壁の問題/県の結論をどう受止めるか
~安曇野市議会6月定例会
小林じゅん子の一般質問(その1)~
この問題の経過については、もうこれまで2年以上にわたって毎回一般質問で取り上げてきました。ざっとまとめると次のようになりますが、これを前提に今回の質問を組み立てました。
市の許認可権は一般廃棄物の処分業(ソフト)だけにあり、処理施設(ハード)の許可には県の結論を待つしかないというのがこれまでの市の見解である。
増田建設産業の一般廃棄物処理業の許可については、既に昨年9月末に2年毎の更新の時期を過ぎてしまっている。前回平成24年9月28日付の許可更新においても、この防音壁の問題で県に対して安全性についての審査を依頼していたが、結論が出るまでに時間がかかり許可更新が1年4カ月も遅延した経過がある。
その後、地元住民は、この審査結果に疑問を持ち、審査資料を公文書公開で入手し検証を行った。その結果、増田建設産業(M産業)が県に提出した審査資料には事実と異なることが記載されており、防音壁は審査基準の震度5の地震に耐えられず倒壊の危険性があると主張。これにより市は独自に調査する必要性に迫られ、防音壁の危険性が裏付けられた。(市は「安全か危険かの判断をしたものではなく、構造計算で得た数値が「NG」だったということ」との見解。)
市はこの調査結果から、平成25年8月30日付で長野県に対し、「許認可権者として適正な処置を求める要請書」を提出したが、県は1年7カ月もたってようやく結論を出してきた。その間に、M産業の一般廃棄物処理業の許可については、昨年9月末に2年ごとの更新の時期を過ぎてしまっている。
これまで市長は「もう少し状況を見ながら、当面は許可更新を留保せざるを得ない。最終的には法に適合していれば、行政としては許可をせざるを得ない」としてきたが、はたしてそのような対応でよいものか。今回の県の結論を読めば読むほど「お役人の作文」というか、言いのがれや法の解釈を変える等のその場しのぎとも思える内容で、とても信頼できるようなものではありませんでした。不許可とする決断をする時が来ているのではないか、との思いで質問しました。
【小林質問】 県は防音壁の問題について一定の結論に至り、本年4月9日に増田建設産業(以下M産業)に対し行政指導を行ったが、その内容と市の見解は。
【市 長】 県の結論は次の3点。
①M産業について明確に廃掃法違反であるとまでは言えないため、改善命令等の行政処分は行えない。
②補強工事等の改善策は今より安全性が高まるなら認めるが、改善策が講じられなくとも重ねての行政指導は行わない。
③壁の安全性の審査結果では、完全に安全であるとまでは言えないが、厳密に法違反であるとまでは言えない。
以上の結論を受け、市はM産業に要望している壁の補強等に関する対応を見極めた上で、早急に結論を出す必要があると考えている。
【小林質問】 平成24年に一般廃棄物処理業の許可更新をしたときに、県はこの防音壁について「保管基準上問題はない」という審査結果を通知し、これを根拠として市長は許可更新したが、このような問題が生じてしまった。今回県は「完全に安全であるとまでは言えないが、厳密に法違反であるとまでは言えない」としている。どちらも「安全だ」とは言っていない。これで結論が出せるのか。
【市 長】 安全か安全でないかというのは、水平震度0.2を基準にしての話である。(質問したことに答えていない)
【小林質問】 県の見解③について、市はどう判断するのか。M産業の許可更新申請書に虚偽記載の疑いがあり、不正の手段によって許可を受けようとしたものは、廃掃法により許可取消ではないか。
【市民生活部長】 申請書類は繰返し補正されてはいるが、作為か過失かは不明であり、虚偽と断定できない。
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