平成27年度安曇野市一般会計補正予算(第4号)に対する修正動議
~南部総合公園に建設する新体育館の基本計画はどうする~
12月定例議会の最終日17日、議案第151号 平成27年度安曇野市一般会計補正予算(第4号)のうち、南部総合公園再整備及び新体育館整備基本計画策定支援業務を外部コンサルタントに委託する費用1,400万円を削除する修正案を提案しました。提案者は増田望三郎議員、賛同者は荻原勝昭議員と小林純子。(修正案を提案するためには定数の12分の1の議員の賛同が必要で、安曇野市議会では3名以上)
提案理由は次の通り。
市長は先の9月定例会で総合体育館の建設推進を表明し、建設費用が28億から38億円とも言われる大型事業が進もうとしている。市が策定した公式スポーツ施設整備計画(平成27年6月)では「国体基準を満たす」とあるだけで、まだ漠然としたものである。
そのうえ、市の公共施設白書(平成25年4月)によれば、これまでと同様に施設を作ることは財政的に困難であり、施設の廃止、統合、縮小等も含む公共施設再配置計画基本方針(平成27年2月)にも矛盾するのではないかと思われる。
また、老朽化が進んでいる豊科南社会体育館にかわる施設としては、健康スポーツのための身近な体育館の整備・建設として、合併協議会の合意事項であるので異存はないが、大規模公式スポーツ施設となると市民ニーズがどれほどかも明確になっていない。このような現段階で、基本計画策定支援業務を1,400万円かけて業務委託することは時期尚早である。
以上、提案理由ですが、この修正案は残念ながら賛成少数で否決されました。賛成者は修正案の発議者である3議員と共産党の3議員の計6名でした。修正案が否決された後に原案の補正予算(第4号)が審議され、修正案に賛成した6名が今度は反対に回り、賛成多数で可決となりました。
私は、修正案に賛成して原案の補正予算(第4号)には反対しました。
以下、その反対討論です。
市はこの6月に「安曇野市公式スポーツ施設整備計画」をまとめ、豊科の南部総合公園に「安曇野市の総合体育館」を整備する方針を示しました。
安曇野市の公共施設白書(平成25年4月)によれば、これまでと同様に施設を作ることは財政的に困難です。施設の廃止、統合、縮小等も含む公共施設再配置計画とも矛盾するのです。
宮沢市長は9月議会で「合併特例債期限内に総合体育館の整備を推進する」と答弁。「安曇野市の総合体育館」として国体競技会レベルの利用を基本に、28~38億円の事業規模を想定。関連予算は12月議会に補正予算を組むとの答弁通り、今回の債務負担行為補正となったが、となると、もうこの計画は改めて市民に問うことなく進めていくつもりか、私は大いに疑問を感じています。
大規模公式スポーツ施設? 健康スポーツのための身近な体育館施設?
市民ニーズはどちらにあるのか、いまだ私も掴みきれていません。
平成23年に策定したスポーツ振興計画のもとにした一般市民アンケート調査では、体力づくりや健康増進、趣味のスポーツのための身近な体育館施設がほしいという声が高かったですが、公式スポーツ整備計画策定に先立って実施したアンケート調査は、スポーツ団体と施設利用者を対象としていたので、回答の傾向として大きい規模の充実した設備の体育館を望む声が高く、計画作りのための委員会も「公式スポーツ整備計画策定委員会」となり、その方向で検討がなされてきたものだからです。
一般市民にとっては、体力づくりや健康増進、趣味のスポーツのための身近な体育館施設が必要だという声を多く耳にします。市民ニーズはそこにあると私も思うのですが、どうでしょうか。また、市民がよく知らないうちに、こうした大型事業がどんどん進められていくことについて、市民のみなさんはどう感じておられるでしょうか。
大きな施設を作れば、後々の維持費も相当なものです。
事業費28~38億円というアバウトさと、維持費の概算さえ出ていないなか、これで決定とは納得がいきません。
賛成の意見の中には、「今回の整備計画の業務委託によって基本計画を作ってもらえば、それを基にしてより丁寧に市民に説明し、意見を聞く中でより良いものを作っていけばよい」という意見がありましたが、それは現実的に困難です。プロポーザル方式で行われるということでは、かなり詳細な仕様書をあらかじめ提供して企画提案してもらうわけですから、「国体基準の大規模大会の開催できる公式スポーツ施設」という基本計画が出来てしまった後で、市民の声を反映して見直しますよということは有りえないのではないでしょうか。やはり今すぐにも広く市民の意向を確認すべきです。