国民健康保険税の引き下げを求める請願書

~国民健康保険会計の基金残高6億3,841万円~

 請願第3号国民健康保険税の引き下げを求める請願書は、平成28年度末の基金残高が6億円以上あるので、負担感が大きい国民健康保険税を1世帯1万円引き下げて、というもの。

それでは、なぜ国民健康保険(以下、国保)の負担感が大きいのか、その理由は3つあります。

(1)社会保険では、保険料の半分は会社が負担している。国保になると、全額を自分で負担する必要がある。

(2)社会保険は給与から天引だが、国保になると自分で払う必要がある。

(3)社会保険は、扶養家族の分も含めた金額だったが、国保は家族が一人ずつ保険料を払う形なので、家族が多いと負担感も増す。

そして、基本的なこととして、国保は市町村単位で運営していますが(来年度からは県単位での運営に移行)、国の補助が50%近くあったものが、今では25%まで減ってきているので、その分自治体の負担が増し、結果として住民負担も大きくなっています。保険料の値上げだけで急増する医療給付をまかなうには、無理があるということです。国庫補助を元にもどすことをしない限り、負担は増すばかりです。

さて、それでは「基金残高が6億円以上あるから1世帯1万円引き下げる」ことは、どうなのか?
国保は、失業したときでも、年金生活になったときでも、だれでも加入できる社会的セイフティーネット。ですから、保険税の支払が困難な場合の軽減や、減免措置があります。基金残高が一定程度以上あるからといって、1世帯1万円引き下げる、それもたった1度だけ、というような場当たり的なやり方をすれば、安定的な国保運営に支障を来すおそれがあります。実際に旧堀金村では、単年度で黒字が出たので次の年の税率を下げたものの、次年度は赤字に転落し、また税率を上げるという混乱を経験しています。

国保会計を安定運営するために基金は5億円が必要。その基金を取り崩して1世帯1万円引き下げることには私も反対し、請願第3号は不採択となりました。