討論白熱、採決の結果は採択に賛成が6、反対が14、退席1
~憲法9条を変えないこと及び
憲法を生かす政治の実現を求める陳情書~
多くの賛成・反対討論があり、採決の結果、採択に賛成が6人、反対が14人、退席1人。賛成少数で、(私としては残念ながら)否決されました。
反対がこれほど多かったのは意外でしたが、「憲法9条は、国の専権事項である外交・安全保障に関わるものであり、地方議会が関与すべきではない」という反対理由にも首を傾げてしまいました。
小林じゅん子は、次のように反論しました。
憲法9条を変えないこと及び憲法を生かす政治の実現を求める陳情書の採択に賛成の立場で討論します。この陳情書に書かれている通り、2017年の5月3日、安倍首相は、「自衛隊を合憲化するために、9条の1項2項は残し、その上で自衛隊の記述を書き加える」と、改憲派へのビデオメッセージで語りました。それだけでなく、自衛隊を書き込むだけだと言って国民に改憲することに慣れさせた後、次は憲法9条2項を削除するのが阿部首相の目指すところだとの話も聞こえてきました。
自衛隊明記によっても9条は「何も変わりません」と言われることがありますが、それは国民を説得しやすいようにするため。自衛隊を憲法に明記することによって、何も変わらないどころか、「戦力の不保持」と「交戦権の否認」をうたう憲法9条の2項の削除につながるとしたら、この国の形を軍事国家へと変える大きな危険を持つものでありこの国の形を変えてしまう恐れがあります。
現行憲法には、自衛隊の定めがない、ないからこそ、自衛隊は違憲ではないかと指摘を受けるなかで、自衛隊の活動は、自衛のためか、必要最小限かが常に問われ続けてきました。その結果、戦前のような武力・軍事優先の政策や社会的ムードの醸成に対する歯止めとなり、平和を求める社会の下支えをしてきたのです。これがもし自衛隊を憲法に明記し、そうした緊張関係をなくしてしまえば、国が自衛隊を戦力として利用する懸念が一気に広がるでしょう。
最後に、憲法9条は、国の専権事項である外交・安全保障に関わるものであり、地方議会が関与すべきではないという意見についてですが、自治体は地方自治の本旨に基づき、住民生活を守る立場から具体的な問題点を指摘し、その改善を求めていく権利と義務があります。
憲法は、国家による不当な諸権利の制限から国民を保護するものですから、その憲法を改正する権利は国民にあるのです。憲法の改正権が国民にある以上は、まず、国民世論が改憲の必要性を議論し、それを受けて国会議員が発議し、国民投票で確定させる。それが、改憲のあるべき姿であり、憲法9条について国に意見書を提出していくことは、むしろ奨励されるべきものと考えます。
◆3月19日の本会議(議案等採決、閉会)の録画映像はこちら
http://smart.discussvision.net/smart/tenant/azumino/WebView/list.html