任意加入を前面に出して もっと参加しやすいPTAにしていこう

~安曇野市議会3月定例会
     小林じゅん子の一般質問(その2)~

東京新聞2017年5月12日の記事より

近年の傾向として、PTAが本当に必要か、あるいはPTAのあり方を整理すべきでは、という議論が起こっています。その背景には、PTAが創立した70年前とは大きく変化した社会環境と、多様化した人々の生活実態があります。

専業主婦である母親の活動を前提としていたPTAが、ここ20年ぐらいで、専業主婦、パート勤務、フルタイム勤務、それぞれ3分の一といった状況となり、一人親家庭も増えています。PTA活動に参加する時間的余裕はなくなり、各々が活動できる時間帯もバラバラで会合を持つ時間を合わせることさえ難しいと聞きます。家庭内でも、PTAに父母のどちらが、どんな比重で係わるか、大きな課題になっているのではないでしょうか。

保護者の負担感が増すとともに、役員をやる人、やらない人の差が出て、不公平感を感ずる場面が増えてきたように思います。負担感や不公平感が増すと、PTAそのものの意義が見失われ、その活動も停滞することにつながります。義務感や「やらされている感」では人は気持ちよく動けないものです。

このような状況では、加入者が減ることをおそれて、PTAが入退会自由な任意団体であることが周知されず、かえってPTA活動に対する反発も出てくるのではないかと心配しています。私は、むしろ、PTAが入退会自由な任意団体であることを周知徹底することが、PTA活動の活性化につながると考え、今回一般質問のテーマとしました。

PTAの問題は、関わりたいと思う人が少ないのではなく、関わりにくいシステムのままであるということだと思います。時代に合わなくなったPTA、「PTAはガラパゴス!」。現状は「自動加入」のPTAを、任意加入に切り替えていく準備を通して、どんなPTAでありたいかを考えるところに大きな意義があると考えます。

PTAは、親と教師が連携を深めることで子どもたちの育成をサポートする組織。地域にとって大事な組織であり、有意義な活動がたくさん行われています。教育委員会は、「PTAは任意団体なので教委として関与を控える」というのではなく、もっと積極的にPTA改革をサポートする姿勢を示していただきたい。

【小林質問】 PTAは入退会自由な任意団体であると周知し、旧態依然とした活動内容を見直しながら、もっと参加しやすいPTAにしていく必要がある。そこに教育委員会の積極的なサポートが必要ではないか。

【教育長】 任意加入については丁寧な説明が必要と考える。PTAをボランティア活動や生涯学習の場としてとらえなおすことで、PTA活動を活性化させるという提案については、市PTA連合会との懇談会等の場で、市教委としても共に考えていきたい。

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私はは小中学校で教師として(Tとして)15年ほど、我が子の保護者(Pとして)12年、PTAに関わった経験があります。「PTAって、なんかおかしいなあ」と思うようになったのは、TでいたときよりPになってからでしたが、その「なんかおかしいなあ」を少しずつでも変えられないかと考え、かなりがんばったつもりです。でも、子どもが学校を卒業してしまうと、「やれやれPTAもこれで終わり」となってしまいました。これが、PTAがなかなか変わっていかない大きな理由ではないかと思っています。

そんな私が、この4月から、孫の母親代わりとして20年ぶりにPTAに係わることになりました。私も一緒に「もっと参加しやすいPTA」について、考えていこうと思っています。

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活動できる時間が異なる保護者が、負担を少なく、不公平を感じずにPTA活動をするにはどうしたらよいか。活動分野ごとの委員会制を廃止して、「できるときに、できることを、できる人がやる」ボランティア制へ切り替えた事例です。

東京都大田区嶺町小学校PTOウェブサイト
~保護者と先生による楽しむ学校応援団~
https://minesho-pto.com/