文書改竄、データ改竄に社会が驚かないことへのオドロキ

~安曇野市民も驚かない!?~

クリックすると日刊ゲンダイDIGITAL2018年5月30日記事へ

左の画像は金子勝氏が日刊ゲンダイに連載しているコラム・金子勝の「天下の逆襲」の一部です。クリックしていただくと、日刊ゲンダイDIGITALの記事にリンクしていますので、ご覧ください。

 

 

 

 

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230050

そのタイトル「これは深い病だ…文書やデータの改竄に社会が驚かない異常」に深く共感。金子氏はこう書いています。「これは深い病だ。何より深刻なのは、企業がデータを改竄しても社会が驚かなくなり、役所が公文書を改竄しても国民がさして怒っていないことだ。公文書は民主主義の土台になるものだ。その公文書を役人が勝手に書き換えたのに、責任を問う声がさほど大きくなっていない。いつの間にか、国民も慣れてしまったのだろうか。」

これは、そのまま安曇野市にも当てはまるのです。
「安曇野市も市議会も同じ病にかかっているのかもしれない。何より深刻なのは、市が出資する三セクがデータを隠蔽しても市議会は驚くこともなく、市役所が公文書を改竄しても市民がさして怒っていないことだ。公文書は民主主義の土台になるものだ。その公文書を職員が勝手に書き換えたのに、責任を問う声がさほど大きくなっていない。いつの間にか、市民も慣れてしまったのだろうか。いやいや、市民は、もともと情報が市民のものであるということを知らずにいるのである」
嘆かわしいことです。

以下は、「これは深い病だ・・・」を裏付ける過去の関連記事です。

2007年12月25日
またも情報公開について異議申立
三郷ベジタブルの「安曇野みさと菜園事業計画書」は部分公開

またも情報公開について異議申立

弁当に海苔を敷き詰めたように見えるスミ塗文書

部分公開といっても事実上の非公開で、数字や数値はすべて墨塗りでした。こういうのを「ノリ弁」というのだそうで、笑えないけどおもしろいです。

 

 

 

 

 

2010年8月4日
安曇野市情報部分公開決定に対して不服申立
本庁舎等建設基本計画策定補助業務の提案書、変造して公開

安曇野市情報部分公開決定に対して不服申立

「変造」という方が「改竄(かいざん)」よりも軽い感じがするかもしれませんが、法律用語では「改竄」の中でも、真正に成立した文書に変更を加えることには「変造」という用語を用います。

2010年8月18日
隠そうとする理由はなに?意味不明な情報公開
不服申立したら審査会に諮問することなく原本を全部公開

隠そうとする理由はなに?意味不明な情報公開

「本庁舎等建設基本計画策定補助業務のプロポーザルの選考結果」(評価調書)は、公開といっても部分公開で、真っ黒け(スミ塗り)の評価調書で事実上の非公開といっていいようなもの。「スミで真っ黒になってしまったので、公開してもショウガナイと思って出しませんでした」と言い訳して、最初は出さなかった文書です。

宮澤市長は「この改変については、職員の初歩的な事務誤りであった」と、単なる指導的処分で終わりとし、市議会も問題追及することなくウヤムヤとなってしまいました。
そんなことですから、次の年の2011年5月にもまた情報公開の大問題が持ち上がりました。一般廃棄物処分業M社周辺の騒音調査票を情報公開したところ、「あくまでも参考値」などの注釈のある文書が出てきたのですが、これは情報公開時に市職員が注釈文を貼り付けてコピーしたものだったのです。(ブログ「守ろう!心のふるさと安曇野の自然と暮らしを」に詳しい情報があります)http://azumino53.blog96.fc2.com/blog-entry-31.html

こんなふうに、安曇野市三郷小倉にあるゴミ処理施設問題について、処理施設周辺の住民が市に騒音調査に関する公文書を情報公開請求して取り寄せた際、市が原本を改変して開示したことがわかり、事の重要性を認識した住民の怒りがあってか、新聞やテレビ等で大きく報道されました。ここで、市民が激怒しているのは、あたりまえのことです。

これだけのことがあれば、市も変わっていくはずと思いきや、2013年の12月「庁舎等建設プロジェクト本部会議の過去の会議録を情報公開したところ、その会議で三郷総合支所の整備方針が突然変更になり、当時の村上副市長が「議員も地域審議会や市民会議の方々も知らないので、慎重な対応を。一般職にも知らせてはいけない」と発言していたことが明らかになり、市の隠蔽体質が変わっていないことがわかってしまいました。

さらに悪いことに、それからというもの「情報公開請求されたら困るので、会議での発言は最小限にして、重要なことはなるべくしゃべらないようにしよう」みたいな、とんでもないことを言う職員も出てきたと聞きました。本末転倒とはこのこと、これでは安曇野市がよくなっていくわけがありません。新しい中山副市長のもと、情報公開に努め、風通しのよい市政を目指していただきたい。