安曇野市議会3月定例会・小林じゅん子の一般質問
まだ定例議会中だった2月末のころですが、何気なく聞いていたラジオから松本市職員の懲戒処分の報が流れてきました。先月もたしか懲戒処分の公表ありました。一方、安曇野市ではここ3~4年懲戒処分の公表はありません。もともと不正事案等なかったのか、隠れていて認識されていないのか、内部統制に問題があるのではないでしょうか。そのあたりを一般質問で取り上げました。
まずは安曇野市庁内のセクハラ問題です。議事録をもとに半分程度に要約したものですが、どこが問題なのか読み取っていただきたいです。
【小林質問】 安曇野市役所では初めてのセクハラ事案ということで、慎重に対応したと聞く。処分が決まるまでに1年9か月もかかっているが、どのような状況であったのか。
【副市長】 セクハラの訴えに対して、相談を受けた所属長らが互いに即座に対応し、事後の迅速かつ適正な対応が取られていたと思う。けれども、1年たった後、またそういうことが発生し時間が長くかかってしまった。
【総務部長】 関係職員から聞き取り調査を実施し、その結果を受けて分限懲戒審査委員会を開催し、厳正かつ公正に対応した。今回の事案を厳粛に受け止めながら、よりよい職場の環境づくりに努めたい。
【小林質問】 適正な対応だったかは疑問である。副市長の答弁では「当初、被害職員と加害職員の両方から事情を聞き、互いにこの事実を認めた」ということだが、これはセクハラと認定したのか、しなかったのか、その点が明快でないので再度聞く。
【副市長】 その時点では不適切な内容ということで、私は確認をしている。
【小林質問】 不適切な内容ということでは、セクハラと認定されたのかどうか分からない。その後、現在に至ってセクハラと認定され、それなりの処分をされたのか。
【副市長】 安曇野市職員分限懲戒審査委員会を開催して、適正な処分をしたと考えている。
【小林質問】 分限懲戒審査委員会で検討する前に、弁護士3人にこの件について相談しているが、そこではどのような認定がされたのか。
【副市長】 第三者委員会のような形で弁護士3人に意見を聞いた。それについては非公開である。
【小林質問】 内容について非公開なのは承知しているが、結論は公開してもらわないと公正な判断はできない。
【副市長】 結論的には様々な弁護士3人の意見があったが、内容については公開できない。
【小林質問】 内容ではなくて結論を聞いている。
【総務部長】 分限懲戒審査委員会を開くに当たっては、法令違反がないと開催しない。開催したということは、ハラスメントに当たる案件だという方向性が示されたということである。
【小林質問】 セクシャルハラスメントが認定されているのに、処分がされないということはどういうことか。分限懲戒審査会委員長である副市長に聞きたい。
【副市長】 処分は行っている。
【小林質問】 どのような処分か。
【総務部長】 処分が公開対象に当たらなかったので、公表はしていない。
【小林質問】 懲戒処分の基準の規定に照らせば、少なくとも戒告、減給、場合によっては停職もあり得るケースだ。なぜ懲戒処分とならないのか。おまけに、このセクハラ行為が発覚して間もなく、加害職員は昇格している。どういうことか説明を。
【副市長】 当初はお互いに納得したものとして対応したので、昇格させたものである。
【総務部長】 懲戒処分等の種類は、規定第3条に免職、停職、減給、戒告、訓告、厳重注意及び口頭注意がある。セクハラについては一番軽い処分でも戒告処分である。ただ、第6条、第7条の中で軽減や加算の規定があり、行為の動機、対応及び結果、故意または過失の度合い、公務内外に与える影響等を考慮して(処分の軽減)を決定した。
【小林質問】 セクハラに関連する処分の基準でいうと、「相手の意に反することを認識したわいせつな言辞等の性的な言動の繰り返し」今回の事例はこれに当たる。さらに「セクハラの行為を行ったことにより、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患等に罹患した場合」、この被害女性は精神科に通院しているので、法的な懲戒処分以下の処分は考えられない。処分まで1年半かかったことについても、市の対応がまずかったのではないか。
【総務部長】 1年半の間、放置したわけではなく、発覚直後に、加害職員に総務部長から厳重注意をしている。その時点で、後にセクハラ認定された行為は全て止まっていた。一般的にはセクハラの状況は非常に多様であり、判断に当たっては個別の状況を考慮する必要がある。主観も重視しながらも、一定の客観性が必要である。受け取る側の感覚ではあっても、平均的な女性の感じ方も基準としていくことが妥当だという見解もある。処分に当たっては、その辺りも考えた結果である。
【小林質問】 総務部長のセクハラに対する認識に問題があると思う。懲戒処分にせず、厳重注意程度ですませたということは、安曇野市ではこの程度のセクハラ行為なら「おとがめなし」と受け止められ、セクハラ防止にも何もならない。こうしたセクハラ行為に甘い職場では、確実に職場環境は悪化し、働く人たちの心理的な悪影響は計り知れない。当然ながら、業務にも悪影響が及ぶ。今回の事案では、セクハラの相談をしたり、セクハラを訴えたことを理由として、不利益な取り扱いも行われた形跡がある。ここにも安曇野市の内部統制の欠如が見える。セクハラの防止に向けて適切な対応をするために、今後どのように取り組んでいくつもりか。
【総務部長】 オフサイトミーティングでハラスメントについて考えたり、職員研修も実施し再発防止に努めてきた。相談については職員課でプライバシーに配慮し案内している。セクハラ被害者に対し、不利益な取り扱いは決してない。
そこで、次のページでは、このセクハラ問題を被害者側の目線で分かりやすく説明していきます。(ただいま、準備中です。)
そして、お願いです。今回、市は「安曇野市役所としては初めてのセクハラ事案である」と言っていますが、それはどうでしょうか。氷山の一角ではないでしょうか、気になるところです。
「セクハラされたけど、ことを荒立てたくないので黙っている」
「上司からのセクハラだから適当にかわして我慢している」
「臨時採用だから仕事があるだけましと思い、多少のセクハラには目をつぶる」
「セクハラを訴えても、もみ消されるだけ」
そんなこんなで泣き寝入りしている人はいないでしょうか。